約 147,388 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6182.html
特別編 京太郎とハギヨシ 時期はインハイ以降です。一部インハイ中のシーンがあります。また、日記形式ではありません ※完璧執事なハギヨシさんが好きな方は読まないことをおすすめします ▲月●日 昼 ハギヨシ「京太郎くん、庭の掃除ですが…」 京太郎「終わらせておきました。倉庫の方も少し散らかっていたんで片づけておきました」 ハギヨシ「ありがとうございます。では私はお嬢様と少々外出するのでその間に屋敷の掃除と食材の買い出し、それから花壇の水やり」 ハギヨシ「それら全て終わってから、各道具の整備までお願いしますね。ああ、整備が終わったら皆さんにお茶とお菓子をお出しして、一緒に休憩してください」 京太郎「はい、分かりました」 純「……しっかしあいつすげーなー」 一「ん?あー、京太郎か。今休んでる人達の分のバイトだったよね」 純「あの仕事量、普段ハギヨシさんがやってる分全部だろ。他のメイドや執事なら1日かけても終わらねーのに」 一「半日、下手したら数時間でやっちゃうからねぇ。今いる他のメイドや執事からの評判もいいし」 純「ハギヨシさんなら2時間……いや、あのレベルは無理か。でもハギヨシさんレベルになる日も遠くねーよな」 一「ハギヨシさんが色々教えてて、今回のことでハギヨシさん自らの提案でバイトとして来てるらしいよ。確か、友人がバイトとして来てくれる、って言ったってさ」 純「へー。あのハギヨシさんの友人ね。どうやって仲良くなったんだか」 一「さぁ?ネット麻雀とか、タコスづくりとかがきっかけって言ってたし、案外共通点があるんじゃない?」 インハイ団体戦、数日前 京太郎「くっそ、タコスを早朝に売ってる店なんてさすがに東京にもねーよ」 京太郎「いっそ手作りするかな……でもタコスの作り方なんて知らないし、そもそも料理自体ほとんどしないしな……」 ハギヨシ「おや?京太郎くん、どうしたんですか?」 京太郎「ハギヨシさん、実は…」 説明中 ハギヨシ「…なるほど、でしたら私が教えましょう」 京太郎「いいんですか?」 ハギヨシ「ええ。友人が困っているんですから、助けるのは当然のことです」 京太郎「あ、ありがとうございます!」 ハギヨシ「では、簡単な基本から教えて、そこから簡単なレシピを教えましょう。まず調理室を借りることからですね」 京太郎「じゃあ俺ちょっと行ってきます」 数時間後 京太郎「今日はありがとうございます。おかげで助かりました」 ハギヨシ「いえいえ。それにしても京太郎くんはかなり筋がいい。どうです?執事などを目指しては」 京太郎「あはは。ハギヨシさんにそう言ってもらえるなんて光栄ですね。そうですね、アリかもしれませんね」 京太郎「それにしてもこのレシピ、分かりやすくて作りやすい、いいレシピですね。そうだ、少し聞きたいことがあるんです」 ハギヨシ「なんでしょう?大体のことは大丈夫ですよ?」 京太郎「ちょっと待ってください。確か、この漫画のレシピなんですけど……鞄の奥にあったかな?確か……うわっ!?」ドサドサッ ハギヨシ「大丈夫ですか?手伝いましょう」 京太郎「すいません、鞄ひっくり返しちゃって。あーあ、中身が全部出ちまったかな」 ハギヨシ「ああ、この本で……」 京太郎「え?ハギヨシさ……」 ハギヨシ「こ、これは……」金髪ロリ物エロ本、貧乳露出物エロ本 京太郎「!?」 京太郎(し、しまった!!あれは副会長に餞別にと押し付けられたエロ本!!しかもよりによって衣さんと一さんそっくりの女優の表紙!!) 京太郎(くっ……趣味じゃないけどエロ本自体の質や満足度が高いから捨てずに置いたのが墓穴だったか!!) ハギヨシ「…………京太郎くん」 京太郎「は、はい!!そ、それは……」 ハギヨシ「なかなかいい本をお持ちですね」 京太郎「…………はい?」 ハギヨシ「いや、さすがにここまで衣様や一様にそっくりとは……私でもやや似ている程度を見つけるのが限界だったのに……」ペラペラ ハギヨシ「しかも単なるロリ、露出だけでなく、他のページにはその趣味が無い人間でも手が進むほどのもの……」ペラペラ ハギヨシ「そして細かく多種多様なニーズに対応し、かつ1枚1枚のクオリティも高く、本そのもののボリュームもある……素晴らしい」パタン ハギヨシ「これほどの物を、一体どうやって……」 京太郎「それ自体はとある人からもらったものです……ロリや露出は趣味じゃないですけど、素晴らしいと感じました」 京太郎「俺本来の趣味は……こっちです」巨乳物エロ本、巫女物エロ本、ナース物エロ本 ハギヨシ「ほう……これもなかなかのもので……私はこちらを」メイド物エロ本、姉妹丼物エロ本、ライトSM物エロ本 ハギヨシ「少々マニアックなものもいくつかありますが、今はこれくらいですね」 京太郎「ほほう、これはこれは……しかし意外ですね。ハギヨシさんがここまでとは」 ハギヨシ「ふふふ、私も男でしてね。あまりこういうことを話せる機会がないもので、ついはしゃいでしまいました」 京太郎「いえいえ、男なら当然のことですよ……おお、この子はまた智紀さんにそっくりで」 ハギヨシ「見つけるのに苦労しましたよ。どうです?そちらはお貸しするので、こちらを借りても」 京太郎「どうぞどうぞ。そうだ、実はインハイでこの本そっくりの子を見つけまして」 ハギヨシ「興味深いですね。詳しくお願いします」 京太郎「ええ、確か…」 ▲月●日 夕方 ハギヨシ「ただいま戻りました。これは旦那様から預かった本日の給料です」 京太郎「ハギヨシさん、ありがとうございます」 ハギヨシ「そしてこれは先日借りたものです……しかしまた白糸台の渋谷さんにそっくりでしたね」和服巨乳物エロ本 京太郎「ええ。和服がまた似合っていたでしょう?」 ハギヨシ「素晴らしいです。そちらはどうでした?」 京太郎「病弱ながらも精一杯のことをする……病弱娘物、想像以上に素晴らしいですね」 京太郎「新しいことに気付けましたよ。また千里山の怜さんにそっくりなのがいいです」病弱娘物エロ本 ハギヨシ「いえいえ。多少マニアックですが」 京太郎・ハギヨシ『そこがいい』 ハギヨシ「……ふっ、私はいい友人に巡り合えました」 京太郎「それは俺もですよ」 ハギヨシ「これからも、よろしくお願いします」ガシッ 京太郎「こちらこそ、よろしくお願いします」ガシッ 透華「ハギヨシに京太郎さん?あら、こちらに居たんですね」 衣「んー?2人とも握手か?どうしたんだ?」 智紀「……友情の握手?」 透華「みたいですね。ハギヨシもあんな楽しそうに笑って……嬉しい限りです」 衣「うむ。家族もいいが友達もいいからな」 智紀「ん……私達も、どう?」 透華「いいですわね」 衣「わーい」 京太郎とハギヨシ、様々なことが違う2人ではあるが、2人の男は硬い友情で結ばれた者同士である エロ本の貸し借り、性癖の暴露などのハイリスクなこと、硬い友情で結ばれた者同士にしかできないのだから カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6209.html
特別編 side阿知賀 細かいところはイメージしましょう ○月×日 最近、みんなとかなり打ち解けてきた気がする 初めは女子だけの部に男子1人だったから警戒されたりと色々あったが、今やみんなが俺を仲間の1人とみてくれるのは嬉しいことだ 嬉しいんだが……無防備すぎる 元女子校っていうんだからそりゃそういう期待はしてたよ? でも!最近やっと信用してくれた仲間相手にそういうのは駄目だろ!! 穏乃なんかは無防備で無自覚すぎる ジャージ上だけってのはもうなんなん。穿けよ!めくりあげたくなるだろ!! 制服の時もはしゃいで、何度白が見えたか!一回思いっきり性的なイタズラして自覚させてやろうか 憧なんかは普通に綺麗だから困る それまでは一番警戒心があったくせに、今は普通にボディタッチとか多いからな ふとした瞬間可愛かったり、色気があったりで押し倒したくなったのは1回や2回じゃない 押し倒して全力で気持ちいいことしてやろうか!! 灼さんとか普段クールなのに不意打ち気味で笑顔とか見せるからさぁ!! ああもう可愛いんだよ!!年上!?それがいいんだろうが!! 小さいけど年上っぽく振る舞ってるそのアンバランスさで持ち帰りたくなるわ!! 玄さんはさぁ……いい加減自分のおもちを見ようか おもちおもち言うけどその本人がすばらなおもちを持ってるだろうが!!揉んでやろうか!! 玄さんのおもちが一番って耳元で囁きながらエンドレスで揉んでやろうか!!多分年上だけど可愛い反応してくれんだろうなぁ!! 宥さんを……脱がしたい 厚着してるけどその下がすばらしいというのは分かってるんだから!!1枚1枚焦らすように脱がしたい!! 最終的にマフラーだけ残してその上で性的な意味で温めてやりたい!!あったか~い、って事後に言わせたい!! ああくそなんでみんな可愛いんだ 全員押し倒したい 穏乃「え、えっと……」カオマッカ 憧「ふきゅ……」カオマッカ 灼「か、可愛いって……」カオマッカ 玄「お、おもち……」カオマッカ 宥「きょ、京太郎くん……」カオマッカ 穏乃「こ、こんなこと考えてたなんて……あぅぅ」 憧「ま、待ちなさい!!ホラ!勝手に日記見た私達が悪いんだから!!」 灼「そ……そう?」 憧「そうよ!だから、これは見なかったことにする!!」 憧「その……こんな内容で……こんな……こんな……ふきゅぅ……」カオマッカ 玄「あ、憧ちゃんが倒れたのです!?」 宥「み、みんな落ち着いてー!?」 翌日 京太郎「おーっす穏乃」 穏乃「お、おはよう京太郎……」 京太郎「お、おー。どした?なんかいつもより元気ないけど」 穏乃「だ、大丈夫大丈夫。なんでもないから」 京太郎「そうか?そういや今日はなんでジャージの長ズボン穿いてるんだ?」 穏乃「えっ!?」 京太郎「前はなんか履き心地が気に入らないとか言ってたのに…」 穏乃「な、ななななんでもない!!それじゃ先行くね!!」 京太郎「あ、おい!!……なんでダッシュで行ったんだ?」 京太郎「おーい、憧ー」 憧「ふきゅっ!?な、何!?」 京太郎「いや、この前の課題なんだけど……どした?顔赤いぞ?」 憧「え!?た、大したことじゃないわよ!!」 京太郎「そうか?あ、ちょっと動くなよ」 憧「え!?な、何!?ちょっと!?」 京太郎「よし、髪のゴミ取れた。でもお前の髪ってすげぇ綺麗だな。触ってても気持ちよかったぞ」 憧「き、気持ちいい……っ京太郎の馬鹿ー!!」 京太郎「お、おい!?なんだよ!!馬鹿って言われるようなことしてねーぞ!?」 京太郎「灼さーん」 灼「きょ、京太郎……何?」 京太郎「いや、今日の部活なんですけど。ちょっと放課後先生に頼まれごとされて遅れそうです」 灼「そう……分かった。みんなにも言っとく」 京太郎「はい……そういえば、どうやったら灼さんみたいにクールに振る舞えます?」 灼「え、えぇ!?」 京太郎「もうちょっと落ち着いて行動しろって先生に言われてて、どうすれば灼さんみたくクールになれるかと思って」 灼「し、知らな……」 京太郎「あ、灼さ……なんで走ってどっか行ったんだ?」 京太郎「玄さーん!!」 玄「きょ、京太郎くん……どうしたのですか?」 京太郎「いやぁ、さっきついに見つけましたよ!玄さんが言ってた3年生ですばらなおもちの先輩を!!」 玄「お、おもちの人?」 京太郎「えぇ!もう大きさも形も服の上から分かるくらいトップクラスで……あぁ、1回揉んでみたいなぁ」 玄「も、揉むの!?」 京太郎「?玄さんだって是非揉みたいって言ってましたよね?」 玄「も、揉むのは……無しでお願いー!!」 京太郎「く、玄さーん!?あの玄さんがおもちの話に食いつきが悪い……体調悪いのか?」 京太郎「宥さん、珍しいですね、こんなとこで会うなんて」 宥「京太郎くん……」 京太郎「まぁ宥さんなら居てもおかしくないですね。ここ、日当たりも良くてあったかいですし」 宥「う、うん。あったか~いとこ、好きだから」 京太郎「俺もあったかいですけど、しばらくここに居たんで今はむしろ少し暑いですね」 宥「そう?私はもう少しあったかくてもいいけど」 京太郎「まぁ、宥さんみたくはできませんし……ちょっと脱ぎますね」 宥「ぬ、脱ぐの!?」 京太郎「まぁ、1枚だけですよ。いや、これはもう1枚脱いでもいいかも……」 宥「あわわわわ……ご、ごめんなさい!脱がさないでー!!」 京太郎「宥さん!?脱がすんじゃなくて俺が脱ぐだけですよ!?……どしたんだ?」 京太郎「なんかみんな様子がおかしいけど、どうしたんだろうな」 そして彼は遅れて部室に着く そこで彼が忘れていった日記を発見し、また一悶着あったり…… カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/10061.html
前話 次話 インタビューの続きでーす 塞「あの時はほんっと焦ったわー……」 胡桃「下手したら全国大会を遅刻で終わらせる所だった! 私含めみんな反省!」 白望「ダル……」 豊音「でも、須賀君が来てくれたお陰で滑り込みセーフだったよー」 エイスリン「ヒーロー!」パッ(頭だけ京太郎のオールマ○トの絵) 塞「んぶっ!」←ツボに入った 白望「おんぶはしてくれなかった……もうちょい早く着けたろうに……」 胡桃「探してもらっておいて厚かましいよシロ!」 白望「胡桃は肩車されてた癖に……」 胡桃「あれは緊急事態だったからいいの!」 塞「けほっ、けほっ……。それにしても、まさかあんな場面で、ネットで噂のS君に出会すとはね」 豊音「急いでたから、サイン貰うのすっかり忘れちゃってたよー」 塞「どうだろ。あの子、サインとか書いたことあるのかな?」 豊音「えへへー。それならそれで、初サインだからちょー嬉しいよー」 塞「可愛い奴めーうりうりー」 胡桃「でも豊音。あの時は仕方無かったかもだけど、肩車してる相手に飛びついたり、男の子に抱き着いたり、マナー悪かったからね。気をつけなよ」 豊音「あうぅー……」 塞「そうねー。豊音はおっぱい大きいんだから、須賀君みたいなおっぱい星人にぐいぐい押し付けたりしたら、狼になって食べられちゃうかもよー?」 エイスリン「ハニートラップ!」パッ(京太郎(だらしない顔バージョン)ヘッドのミツバチが飛んでる絵) 胡桃「んっふ……!」←ツボに入った 豊音「お、おぱっ……! 須賀くんはそんな子じゃないよー! きっと! そ、それに、私より原村さんみたいなちっちゃくておっきい女の子の方がいいだろうし……」 白望「でもあの少年、動画で豊音の事べた褒めしてたし……」 塞「私達にも可愛いーってさ。たらしって噂されるのも納得だわ」 豊音「そ、そういえば! 須賀君ってすっごい力持ちだよね! 胡桃を肩車しながら飛び掛かられても、びくともしなかったんだよー!」 塞「あーわかる。あの荷物だって、ちょっと持ったけどえらいずっしりしてて正直キツかったし」 胡桃「そもそも私を肩車して何分か歩いてても、ちっともバランス崩れなかったしね!」 エイスリン「アシニネガハエテル!」パッ(京太郎フェイスのウッ○マン) 白望「あー懐かしいねそれ……」←ツボに入らなかった 塞「エイちゃん、須賀君の顔の再現度高いけど、そんなに印象に残ってる?」 エイスリン「ウン! プリンスミタイ!」 胡桃「えー、王子様って感じとはまた違わない? イケてる方だとは思うけどね」 塞「まーイケてるにせよないにせよ、あの子には東京にいる間に恩返ししないといけないね」 白望「話のまとめ方強引だなぁ……」 胡桃「もちろん清澄に手加減とかしないけどね! そういうの求めてないだろうし!」 豊音「でも恩返しとはまた別で、須賀君とは一緒に遊んでみたいよー」 塞「じゃーそれも兼ねて何か考えとこっか。一応私は連絡先交換しといたし」 エイスリン「ズルイ!」パッ(ぷんぷん丸の顔文字) 塞「急いでたからしょーがないじゃーん」 ちなみに、動画のコメントにはSに対して迷子のプロファイリングを求む声が殺到したという。 カン 前話 次話
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6237.html
特別編 執事とバレンタイン ※本編との関係も一切ない特別編です。普段と違う形で書いてます ※大体色んなとこを参考にしたりイメージだったりなので、理解できるかどうかは個人差があります ※深夜テンション。ちょっと変態度高めでマニアックな内容なので、苦手な方はスルーでお願いします 2月13日 龍門渕邸 京太郎「バレンタインですねー」 ハギヨシ「えぇ、バレンタインです」 京太郎「あるところでは愛の誓いの日、またあるところでは聖バレンタインだかなんだかの命日だとか」 ハギヨシ「いいではありませんか、愛の日」 ハギヨシ「恋する乙女こそ美しい、というのは真理だと思いますよ」 京太郎「そりゃ分かりますけどねー。愛を誓う相手もいなきゃテンション上がりませんよ」 ハギヨシ「まぁそれもまた真理、それもまた宿命です」 京太郎「真理は残酷だ……そーいえば、バレンタインといえばチョコ、チョコと言ったら……」 ハギヨシ「……なるほどなるほど。チョコまみれ、裸チョコですね」 ハギヨシ「視覚的には素晴らしいでしょう。また、『私を食べて』という意味としてもまたそそられるものもあります」 京太郎「ロマンですよね。チョコと一緒に私もあげる、みたいなシチュエーション」 ハギヨシ「えぇ、ロマンです……そして、ロマンで終わらせた方がいいものでしょう」 京太郎「っ……えぇ、予想はしてました。多少なりとも料理をするものとして、分かってはいましたが……厳しいですか」 ハギヨシ「はい……衛生面ではもちろん保障できませんし、何より火傷します」 京太郎「チョコをドロドロにですからね。それなりの高温になるんですね」 ハギヨシ「えぇ……実際に仕事でプレイをしたことがある方曰く、『チョコレートが体温で温まり生ゴミのような臭いがひどかった』とのことです」 京太郎「あぁ……現実とは非常ですね」 ハギヨシ「クリスマスの二の舞になりますが、裸リボンが現実的ですね」 京太郎「ある意味緊縛プレイの一種ですからね。そのまま絡まって動けなくなって……というのもいいですよね」 ハギヨシ「それか……媚薬ですかね」 京太郎「盛るんですか?」 ハギヨシ「いえいえ。チョコレートも一種の媚薬とも言われています。実際に微量ではありますがそういう成分も含まれていると」 ハギヨシ「逆チョコと言ってチョコを送り、実は媚薬効果付きとネタバラシをする」 ハギヨシ「そのまま乱れさせ、媚薬のせいだからと言う相手に、媚薬成分は微量だと更なるネタバラシを」 ハギヨシ「ある意味テンプレートではありますが、王道こそ素晴らしい」 京太郎「あぁ最後のネタバラシの時の顔とかすっげぇいい顔でしょうね」 ハギヨシ「全くですね……さて、そろそろ焼き上がりの時間ですかね」 京太郎「えぇ、後は仕上げをするだけで明日のためのチョコケーキは完成ですね」 京太郎「さて、遠方の人達用のものも作らないと」 ハギヨシ「でしたら、少々難易度は高いですが良いものが」 京太郎「へぇ、どんなものですか?」 バレンタイン、それが素晴らしい日になるか忌むべき日になるかは人それぞれ 各々の想いを胸に、その日を迎えるだろう 当日、某男子高校生からの逆チョコで女子としての自信を失いかけた者が多数いたりしたのは、また別の話 カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3391.html
京太郎「こんなにたくさん女の子がいるんだ、俺にも彼女くらい出来るはず…」 京太郎「よし!じゃあハギヨシさんに告白しよう!」 京太郎「って男じゃねえか!ダメだろ!」 京太郎「まあ安価は絶対だしな…どうせ告白しても成功しないだろ…」 京太郎「それじゃあ行ってくるか…」 ハギヨシ「それで話というのは?」 京太郎「いや実はですね…」 京太郎「前からあなたの事が好きでした。付き合ってください。」 ハギヨシ「!?」 京太郎(やべー…言っちまったよ…) ハギヨシ「それは…本気で言ってるのですか…?」 京太郎「はい?」 ハギヨシ「本気で言っているのかと聞いているんです。」 京太郎「え、ええ…もちろんです。」 ハギヨシ「そうですか…分かりました…」 京太郎(怒らせちゃったかな…) ハギヨシ「実は私も貴方の事が好きでした。喜んでお付き合いさせて頂きます。」 京太郎「えっ」 ハギヨシ「それでは服をお脱ぎ下さいませ…」 京太郎「えっ?いやっ、ちょっ…やめ…」 大沼「何をしとるんじゃ!お前ら!」 京太郎「あなたは確か…大沼プロ!」 ハギヨシ「ちっ…邪魔が入ったか…」 大沼「まったく…近頃の若い奴は…ワシも一緒にやらせんか!」ポロンッ 京太郎「」 大沼「ほれ、さっさと尻を出さんか。」 京太郎「ちょっ…やめっ…」 ハギヨシ「お待ち下さい。私の方が先です。」 大沼「なんじゃと!老人に先に譲らんか!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは譲る訳にはいきません。」 京太郎(何なんだこいつら…) 大沼「さっさと譲らんか!この若造が!」 ハギヨシ「いいえ。こればかりは絶対に譲れません。」 京太郎「二人とも落ち着いて…」 大沼 ハギヨシ「うるせえ!黙ってろ!」 京太郎「(´・ω・ `) 」 ハギヨシ「分かりました。ならばどちらが京太郎様を満足させられるか勝負しましょう。」 大沼「ふん…小癪な…まあ良いだろう…」 大沼「それでルールは?」 ハギヨシ「お互いに挿れ合って先にイった方が負けという事でどうでしょうか。」 大沼「良いだろう…ワシに勝負を挑んだ事を後悔させてくれるわ!」 京太郎(今のうちに逃げよう…) 京太郎「やっと逃げてきた…まさか裸のまま追ってくるとは…」 京太郎「偶然警察の人にすれ違わなかったらヤバかったな…」 照「君は確か咲の高校の…」 京太郎「そういうあなたはチャンピオンの宮永照じゃないですか。こんなところで何を?」 照「それはこちらのセリフ。きみこそ何をしているの。」 京太郎「えーとですね…ちょっと危ない奴らから逃げて来たというか…そういうあなたは何を?」 照「「すがきょうたろう」とかいう咲にくっつく虫がいるそうなので始末しにきた。」 京太郎「えっ」 照「ところでまだ君の名前を聞いていなかったけど…」 照「君…名前は?」 京太郎「え…えーと赤木しげるです!」 照「アカギ…?どこかで聞いた事がある名前…」 京太郎「いやちょっと色々とやってるんですよ…はは…」 照「まあすがきょうたろうじゃないならいいよ。」 ハギヨシ「京太郎様…私達から逃げてこんなところで何を…?」 京太郎「お前…どうしてここに…」 照「おい…京太郎とはどういう事…?」 ハギヨシ「フフフ…今度は逃がしませんよ…」 京太郎(色々やべえ!こうなったら狂言を吐いて場を混乱させるしかない!) 京太郎「こいつが須賀京太郎です!錯乱して俺と中身が入れ替わったと思い込んでいるんです!」 ハギヨシ「なっ…」 照「そうなの?」 ハギヨシ「いやそんな訳無いでしょ!」 京太郎「やっぱコイツ錯乱してますよ!咲さんに手を出す前にやっちゃって下さい!」 照「よし…君たちホモセックスしよう…」 京太郎「うんうん!…って何だってええええええ!?」 京太郎「何でそんな事しなきゃいけないんですか!普通に始末すれば良いでしょ!」 照「いやだってコイツをホモにすれば咲に手を出さなくなるし….それに咲も京太郎にホモになって欲しいって言ってたからな。」 京太郎(咲…お前…) 照「さあ始めよう…逃げようとしたら…わかるよね…?」ギュルルルルル 京太郎「うう…」 ハギヨシ「( ´ ▽ ` )」 照「さあ早く」 ハギヨシ「wktk」 京太郎(もう終わりか…さようなら俺の童貞と処女…) 大沼「やめんかお前ら!」 京ハギ照「!?」. 京太郎(げええええ!よりによって今一番来て欲しくない奴が!) 京太郎(ん?待てよ…これを利用して…!) 京太郎「あのチャンピオン…ちょっといいですか?」 照「何…?」 京太郎「実は大沼プロはホモなんです。なので大沼プロとヤらせた方が色々と良いかと。」 照「そうなの…?ならそうしようかな…」 京太郎(よっしゃああああああ!) 照「さあ…早く始めて…」 ハギ 大沼「いやいやいや!」 照「…」ギュルルルルルル ハギ 大沼「はいいいい!」 京太郎(今のうちに逃げる!) 京太郎「やっと家に着いた…もう疲れた…」 京太郎(よく考えたら彼女を作ろうとしたらこうなったんだよな…もう彼女なんかこりごりだ…) 咲「あ!京ちゃんどこいってたの!」 京太郎「おう咲…ちょっと色々とな…」 咲「もう!心配させないでよ!すごく心配してたんだからね!」 京太郎「ごめん…」 咲「本当に悪いと思ってる…?」 京太郎「ああ…当然だろ。」 咲「ならキスして。」 京太郎「えええ?ドユコト?」 咲「本気で悪いと思ってるんでしょ?なら謝るかわりにキスして。ね…?」 京太郎(えーとつまりこれは告白ですか!?咲が!?俺に!?) 咲「早くしてよ…誰か来ちゃう…」 京太郎(こいつこんなに可愛かったっけ…?くそっ咲の癖に!もうやっちまえ!) チュッ 咲「んっ……はあっ」 京太郎(やっちまった…) 京太郎「…咲…何でこんな事を…」 咲「何でって?決まってるでしょ…京ちゃんが好きだからだよ。」 京太郎「そうか…………咲」 咲「何?京ちゃん?」 京太郎「好きだ。付き合ってくれ。」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6213.html
特別編 本編とは完全に別の世界での下ネタ、というかエロ日記2 どことは言いませんが、某所で本編が終わった記念に書きました ※京太郎以外みんな下ネタエロボケ連発します。パロとかパクなんとか、その辺りです ※キャラ崩壊ってレベルじゃねーぞ、な内容なのでそういうのがNGな人は数レスほどスルーでお願いします ※この特別編に限っては、苦情、文句等は『一切受け付けません』。ヤられたら倍返しって言ってたドラマがありましたね ※ここまですべて許容できる人のみ、続きをどうぞ 京太郎「ふぅ、掃除はこれくらいで」バサッ 京太郎「っと、やべ。書類とかノート落としちまったな」パラッ 京太郎「ん?このルーズリーフは……」ペラッ 清澄高校麻雀部 女子日誌 ×月○日 「という訳で、これから女の子だけで書いていくわよー」 「女子だけか?京太郎は抜きで?」 「須賀君から抜く……いいですね」 「5人で抜くのかー、豪華だじぇ」 「5対1……多人数プレイですね!」 「まぁ男の子がいたら話しにくいこともあるし?こういう形で発散しましょうってことよ」 「あー、女子には普通だけど男子にはきついって下ネタあるしなー」 「生理中の話などでしょうか。確かに生理中のプレイは人を選びそうですが、私は望まれるなら……」 「私はちょっと嫌だじぇ。身体はちっこいけど結構重くて」 「もっと話したいけど、京ちゃんあんまりやりすぎると突っ込まないで耳塞ぐからなー」 「それじゃ、これからどんどん書いていきましょ。いつか須賀くんに見せると考えれば、興奮するようなやつを!」 「「「「おー!!!」」」」 京太郎「…………なんだこれ」 京太郎「5人で何やってんだ……読まない方がいいか?」 京太郎「……でもこういうのはついつい手が動いちまうんだよなー」ペラ 清澄高校麻雀部 女子日誌 ×月△日 「須賀くんが胸で反応しません」 「京ちゃんは首筋だよ」 「結構マニアックね」 「何かきっかけでもあるんじゃろか?」 「今度、全員で首筋を見せるじぇ!」 「いいわねー。元からショートの娘達も、髪を上げたりで出来なくは無いわよね?」 「全員で京ちゃんを誘惑ですね!」 「いいですね。当日は下着無しでいきましょう」 「のどちゃん、今も無いだろ?」 「そもそも今日下着穿いてる奴おるんか?」 「「「「…………」」」」 「で、決行は土曜でいいわね?」 「異議なしです」 京太郎「……結構早くからばれてたか」 京太郎「前に示し合わせたように全員がポニテだったり、髪を上げてたりしたのはこういうことか……」 清澄高校麻雀部 女子日誌 △月□日 「最近須賀くんがいないとつまらないわよね」 「確かにな、今や普通にボケてもつまらん」 「あのツッコミがいいんですよね。こう、たまに激しくされるのがまた……」 「咲ちゃんは昔からあれを受けてたのか。羨ましいじぇ」 「うん。でも私は最近の方がいいかな」 「あら、つまり1人じゃつまらない?何、多人数の方が好み?」 「まとめたりした投げやりな扱いは……あ、想像したら濡れてきます」 「ううん、突っ込まれるのもいいけど、最近はいろんな人と打つのも楽しくて」 「ふふふ……またいじめ甲斐がある人と打てないかな♪」 「咲のSっ気はまだまだ加速するみたいね」 「はい!この犬めをもっといじめてください!!」 「じゃー、明日は京ちゃんからのツッコミ無しとか?」 「そ、そんな!放置プレイなんて……いいですね!!」 「守備範囲広いのー」 京太郎「……ツッコミってなんだろう」 京太郎「やめた方がいいのか?いやでもそれだと……」 京太郎「くそ、どっちに転がってもこいつらの思い通りかよ」 清澄高校麻雀部 女子日誌 ☆月◇日 「前から思っとったが、これに京太郎のことばっかり書いとらんか?」 「確かに……女子だけの話のはずなのに京太郎のことばっかりだじぇ」 「言われてみれば……最近須賀くんがいないとついつい須賀くんのことばっかり書いちゃうわね」 「須賀くんがいないと寂しいということでしょうか……」 「つまり……京ちゃんは私達にとって……」 「「「「「ご主人様?」」」」」 「……メイド服着てからの主従プレイならまかしとけ」 「よーし、私はタコスをSっ気たっぷりに食べさせてもらう流れからで!」 「じゃあ私は年下に調教されちゃうかー」 「ご主人様のためでしたら私はなんだってやります。命令とあればいつどこでどのようなプレイでも!」 「幼馴染はご主人様……Mになるのもいいかもなぁ……」 京太郎「……やべー、期待とかしてなかったけど予想以上にマジやべー」 京太郎「なんて方向で狙われてんの?……これマジで迫られたら逃げれるか俺?」 清澄高校麻雀部 女子日誌 ?月?日 「もし、これを京ちゃんに見られたらどうするんですか?」 「隠してるものを暴かれるのは興奮しますね」 「京太郎が乙女の秘密を覗き見か……ありだじぇ」 「脱がされるって焦らされるみたいでいいんじゃよな」 「そうねー……須賀くんが隠してるものをこっそり見たりするような人じゃないとは思うけど……その時は」 「その時は?」 「逆に須賀くんを調教しましょうか」 「縛るんですか?縛られるんですか?」 「拘束してタコスを口移しとか?」 「メイド服フリーサイズの用意はできとるぞ?」 「そんな……京ちゃん相手なんて……楽しみすぎて我慢できなくなるよぉ……」 「いい案がいっぱいねぇ」 「ね、須賀くん」 「見 た わ ね ?」 京太郎「うおっ!?」 京太郎「び、びっくりするなぁ……いきなり赤文字で丸々1ページ使うから……」 久「ちなみにその赤、破瓜った時の血なんだけどね?」 京太郎「ここまで血出てたらこんなん書いてる場合じゃねーよ!!」 京太郎「……あ」 和「ふふふ」 優希「にっ」 まこ「くくく」 咲「あは」 久「ねぇ、す・が・く・ん?」 京太郎「…………」 京太郎「いやこの最終ページ相当前に書いてたやつでしょう?ルーズリーフだからページのよれ具合とか、書いてるペンのインクとかで色々違いが分かりますよ?」 久「そ、そそそそんなことあるわけないじゃない?」 京太郎「嘘へったくそですね!」 咲「ちぇー。恐怖で震える京ちゃんが見たくて頑張って考えたのに」 京太郎「これ考えたのお前!?結構ホラーだったんだけど!?」 まこ「このためだけにルーズリーフにしたのに、暴くのが早すぎじゃ。せめてもっと溜めがいるじゃろ」 京太郎「なんで俺が駄目出しくらってるですか?」 優希「しかーし、乙女の秘密を覗き見たのは事実だじぇ!」 京太郎「内容いつもの会話と大して変わんなかったじゃねぇか」 和「乙女5人分の秘密は重いのです。という訳で須賀くん」 和「須賀くんの処女で勘弁してあげます」ヴィィィィィィ 京太郎「待て、それは女子でも男子でも簡単にあげたりしちゃダメなものだからな!つーか太っ!!しまえそんなもん!!」 和「私としては須賀くんのがこれくらいだと少々困ってしまうのですが……拡張からですね」キリッ 京太郎「キリッとした顔でとんでもないこと言うのやめなさい!」 咲「えー、じゃあ京ちゃん何するのー」 久「ほらー、脱ぎなさいよー」 優希「脱ーげ!」 まこ「脱ーげ!」 京太郎「何もしないから!唐突に脱衣を希望しない!!」 京太郎「大体、前に俺の日記見たじゃないですか。それも有耶無耶になってたし、これでイーブンでいいでしょう」 久「そうね……確かにみんなで勝手に日記を見たのは悪かったわね」 京太郎「そういう訳で…」 久「分かったわ。じゃあここはひとつ、お互いの初めての交換ってことで」シュルッ 京太郎「何も分かってなかった!!」 まこ「あ、ちょっとメイド服に着替えるから待っとってくれんか?半脱ぎでな?」ゴソゴソ 京太郎「今必要なのはそういう理解じゃないから!!」 和「初めてで6P……思い出深い初体験になりそうですね」ニコッ 京太郎「そんなセリフでいい笑顔しない!」 優希「でもこれじゃ京太郎の初めてもらえるのは1人だけだじぇー?処女捧げるだけかー?」 咲「1人は和ちゃんが持ってきたやつでヤるとして……3人はどうしよっか」ヴィィィィィィ 京太郎「それだけはやめろぉ!!」 咲「そんな……私は京ちゃんに(ツッコミ)処女捧げたのに……」 京太郎「おい、言葉足りねーぞ」 久「『それだけはやめろ』、つまり?」 まこ「それ以外はアリじゃな?」 和「やっと、覚悟を決めてくれたんですね」 優希「もうこの際処女捧げるだけでもいいじぇー」 咲「そうだね、それじゃあ京ちゃん、誰からにする?」 京太郎「誰もしねーよ!!だから脱ぎだすな!!半脱ぎもメイドも駄目!!」 咲「首筋は?」 京太郎「……アウト!!」 久「……みんなー、各自ポニテ、もしくはアップにしなさい」 まこ「あいよー」 和「ふふふっ、これに須賀くんは弱いんですよね?」 優希「私のがどうかは知らないが……実はこっそり気を遣うようになってな……」 咲「さぁ、京ちゃん」 咲「みんなで、楽しもっか?」 京太郎「あ……ちょ、待……待てぇぇぇぇ!!」 ※この後何とか逃げ切った カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6446.html
旅館・部屋- 京太郎「さて、寝ますか?」 咏「とりあえず横になろー」 京太郎「はい」パチン 咏「京ちゃん」ギュッ 京太郎(うおっ、温泉のことのせいで意識してしまう!) 京太郎(かわいい)ナデナデ 咏「ん~」ニコニコ 京太郎(眠い……)zzz 咏「……」zzz 25日目終了- 26 日目- 京太郎「さて、布団からそっと出て……」 咏「んぅ……」 京太郎「さて、出かけるかな……」 京太郎「さて、行くかなぁ」 私服に着替えて出ていく。 京太郎「さて、今日はっと……」 京太郎「さて、走るか!」 京太郎(そう言えば前は旅行でランニングで公園に行ったら絹恵さんと会ったんだよなぁ) ?「あれ、京太郎君?」 京太郎「あ、塞さん!?」ビックリ 塞「うん、どうしたのこんな朝早く……」 京太郎「塞さんは?」 塞「ランニングしててね」ハハッ 京太郎「まぁ駅近いですもんね」 塞「特に最近は……ウエスト気になっちゃって」 京太郎「……いや、良いと思いますよ?」 塞「京太郎君が良くても私がダメなの」メッ! 京太郎「そうですかね?」 塞「そうなの」 その後、一緒にしばらく走って……。 京太郎「あの、京太郎君って言いにくくないですか?呼び捨てで良いですよ」 塞「えっと、京太郎?」 京太郎「まぁ、なんでも良いんですけど……そろそろ帰りますね、またあとで!」 塞「うん」ニコッ 京太郎「あ!一意見として聞いてくれれば良いんですけど……あと塞さんはそのままでも十分魅力的ですよ、ホント!」バッ 塞「なっ!」カァァッ 塞「て、天然タラシっ」 旅館・部屋- 咏「京ちゃんどうする?」 京太郎「どうするって言うと?」 咏「昨日トシさんに教えてもらった場所、また行くならもっと早く行った方が良いんじゃない?」 京太郎「まぁそうですね」 咏「宮守高校に行くのは変わんないけどね」 駅前- 京太郎「よっと……誰か呼ぶか?」 胡桃「お待たせー、昨日の場所に行くんだって?ちょっと興味あったんだよね、入るかどうかはともかくとして!」 京太郎「ん、すみません朝から」 胡桃「まぁ見たいだけだから、入るなら私時間つぶしにいくけど」 京太郎「あぁ~、なんか迷惑かけますね」 胡桃「ま、気にしないで」 胡桃(強くなるヒントとか、得れれば良いし) 12次元の鏡の間の祠- 京太郎「着きましたね」 胡桃「入る?」 京太郎「……入ります?」 胡桃(ちょ、ちょっと怖いかも) 京太郎「……入ってきます、胡桃さん付き合ってくれてありがとうございますね」 胡桃「う、ううん!またあとでね!」 京太郎「はい、あとで部室の方に中々行かなかったらトシさんにここに来たって言っといてください」 胡桃「うん」 テクテクテク ギィッ 京太郎「さて、昨日ぶりだな……あんま覚えてないけど」 鏡「」ギュオッ 京太郎(俺じゃない、俺?) 12次元の鏡 京太郎「記憶に、ある気がする」 鏡「12次元のお前の記憶、その記憶を呼び覚ます鏡だぞ」 京太郎(鏡の中の俺が喋ってるな) 鏡「さぁ、今お前が選べる二つの次元から、お前の力を呼び覚ます」 京太郎(二つの次元の、俺か……) 鏡「決闘者の記憶、そして破壊者の記憶……選べ」 鏡「幸せそうな顔しやがって……こっちの俺がどんな目にあってるかもしれずに」 京太郎「さっそく自分相手に喧嘩腰かよ」 鏡「お前みたいな幸せボケと俺を一緒にすんなよ、ていうか俺の能力なんて得てどうなってもしんねぇぞ?」チッ 京太郎「上等だよ」 鏡「ハッ、せいぜい苦しめよ……見とけ、これが『牌を殺すということ』だ」 ギィッ トシ「帰ってきたね」 京太郎「あれ、トシさん?」 トシ「胡桃に聞いたよ、三時間経っても帰ってこないから心配したみたいだね」 京太郎「あぁ、ありがとうございます」 トシ「もっと早く帰ってきて欲しいんだけどね、胡桃が心配してたよ」ハァ 京太郎「あはは、ご迷惑おかけしました」 宮守高校・麻雀部- 昼前- 京太郎「ただいま帰りましたー」 豊音「京ちゃん心配したよー、あれ、トシさんは?」 京太郎「途中で用があるって行っちゃいました」 胡桃「新しい力っていうのは?」 京太郎「手に入れましたよ、一応ね」 胡桃「そっか」 塞「京太郎、麻雀する?」 白望「あれ、いつの間に呼び捨て?」 塞「ま、まあいいじゃん!あはは!」 京太郎(あ、シロ大丈夫そうだな、さて……どうするか) 京太郎(豊音さんと塞さんと胡桃さんとエイスリンさんが麻雀してるし、この間にシロと話すか) シロの座るソファの隣に座る。 京太郎「……大丈夫だったか?」 白望「……その話はしない、ダルい」 京太郎「でも、お前が泣いてるの見るの嫌だったから」 白望「」フイッ 京太郎「怒るなよ」 白望「怒ってない、ダルいから」 京太郎「ならなんで……」 白望「わかんないなら、良い。ほんと怒ってないから……ダルいし」ハァ 京太郎「ん?」 京太郎(さて、そろそろ昼飯だよな……誰か誘ってみるか) 京太郎「シロ、昼食べに行かないか?」 白望「ダルいから、背負ってって……」グダー 京太郎(ま、またおもちがっ、煩悩退散!うおぉぉっ!)ダッダッダッダッ 豊音「あの二人仲良いねー」 塞「そうだね」 胡桃「なんか似てるし」 エイスリン(キョータロ……)シュン ファミレス- 京太郎(今日も隣に座るのか) 白望「ん」コテッ 京太郎(うお、頭乗っけてきた!?) 白望「とりあえず選ぼ」 京太郎「あ、あぁそうだな!」 白望「……お腹すいた」 京太郎「沢山食べないと、麻雀に力入らないもんな!」グッ 白望(別にそんなことないけど……暴食だから?男の子だから?) 夕方- 宮守高校・麻雀部- 京太郎(さて、どうするかなぁ) 京太郎「よし、打ちましょう!」 白望「いつも通り?」 塞「私もやりたいけど……」 エイスリン「」バッ(くじの絵) 豊音「さぁー引こう!」 胡桃「よし、頑張ろう」 エイスリン(キョータロ、この感覚……ッ)ゾクゾクッ 白望「当たった……」 豊音「わーい!」 エイスリン「ワタシモ!」(喜ぶ絵) エイスリン(や、やった……これで……これでって?) 京太郎(例の力、どうするか) 白望(今日こそ怠惰を決める……) 豊音(今日は倒すよー) エイスリン(私、どうしたんだろう?) 京太郎(あまり良く無いか) エイスリン(これ、使うしかないのかな?) 豊音(うー勝てないかもー) 白望(最高の手牌……) 豊音(どうしよー) エイスリン(誰も動かないなら、このまま!) 白望(京太郎、来る?) 京太郎(さぁ、やるぞ衣!) 能力『月海支配(喰)』発動 京太郎(ここは、俺の支配するステージだ!) 成功:その自分以外の全員の点決めコンマ下二桁を20下げる。 豊音(あれ、牌が来ない……) 白望(動くつもりは、ない) エイスリン(理想の牌譜を……描いてみせる!) 能力『トリック・ウィッチ』発動:自分の和了判定を最上位にする 京太郎(来た、エイスリンさんか!)グッ 豊音(京ちゃん、今度も!?)ゾクッ 白望(ダルい……)ドクンッ… エイスリン(また、きたっ)ゾクゾクッ 京太郎(さぁ、喰う!)ニッ 能力『魔物喰い』を発動、さらにステータス食欲が暴食のためゾロ目でクリティカル エイスリン(ッ!)ビクッ エイスリン(ま、また……あれはっ)ゾクゾクッ エイスリン「ヒッ!?」 塞胡「?」 白望(なにこれ!?)ガタッ 豊音(シロが驚いて動いた!?) ガッ エイスリン「ッ!?」ビクッ グチュッ ブチッ グチッ ググッ ブチリッ エイスリン(やっ、だめっ……ぜんぶっ、たべら、れるっ……~~~ッ!!?)ビビクンッ 京太郎「」ニィッ 能力『魔物喰い』クリティカルヒット:相手の能力を無効にし次コンマ下二桁を00する。 豊音(や、やっぱ京ちゃんこわいよー)グスッ 白望(これっやっぱ昨日見たのと似てる、ような……考えるの怠い) エイスリン「~~~ッッ!!?」ビクンッ エイスリン「ッ……ッ!」ピクッ ガクッ 豊音「またー!?」 京太郎「エイスリンさん」スッ 京太郎(慣れてきてる俺が怖い……でも毎回麻雀中断するのも、キツイなぁ) エイスリン「キョ、キョータロー……~~~ッ!!」ビクビクッ 京太郎(不味い不味い……) エイスリン(だ、だめっ!昨日の比じゃないぐらいっ、頭の中真っ白にぃッ~~~ッ!!?)ビクンッ 塞「京太郎、保健室連れてってあげて!」 豊音「今日は保険の先生いないはずだから、寝かせてあげてねー」 京太郎(この国の保健室はどうなってんだ) 京太郎「了解です!」ソッ エイスリン(また、キョータローの匂いっ―――ッ!!?)ジュワッ 京太郎「いきますよ!」 京太郎(また俺の暴食のせいか?) 保健室- ベッドにエイスリンをそっと下ろす 京太郎「だ、大丈夫ですか?」 エイスリン「ンッ……あッ……」ハァハァッ 京太郎(ま、不味い不味い)アセッ エイスリン「んぁ、きょ、キョータロっ……!」ガシッ 京太郎(な、腕掴まれて、これ不味いって!)アタフタ エイスリン「キョータロ……」ギュー エイスリン「キョータロ……んぁっ、ひぃっ」ビクビクッ エイスリン「……シヨ?」ハァハァッ 京太郎(もう、どうでもいいか……)ガバッ 京太郎「んっ」カプッ エイスリン「ンッ!」ビクッ 京太郎(敏感だなぁ、まだ首甘噛みしただけなのに……ていうか、可愛すぎだろエイスリンさん……) エイスリン「キョ、キョータロー、モットぉ……」フルフルッ 京太郎(涙目……やばっ、もう考えんの……) 十数ヶ月後- 京太郎「あーあれから大変だった」 エイスリン「ウン……パパ、凄い怒っテタ!」 京太郎「まぁ当然だけど」 エイスリン「デモ、ワタシ……嬉しイ!」ナデナデ 京太郎(もうずいぶん大きくなって……ご無沙汰なんだよなぁ)ムラッ 京太郎「まぁ俺も嬉しいんだぞ?できちゃった婚でも……ちゃんとプロの実業団からもスカウト来てるし」 エイスリン「ソンナノ、別ニ良イ!」 京太郎「まぁお金溜めて、ニュージーランド行こうぜ……ちゃんと結婚前に、まだ結婚できないから」 エイスリン「待ッテル、からネ……京太郎ガ結婚、デキルまで」 京太郎(まぁデキたのは子供なんですけどね) エイスリン「新婚リョコウ、ニュージーランド!」カキカキカキッ 京太郎「あぁ、子供見せに行かないとな」ナデナデ エイスリン「ウン!」バッ (エイスリンと京太郎と赤ちゃんの絵) エイスリン・ウィッシュアートED1 保健室- ベッドにエイスリンをそっと下ろす 京太郎「だ、大丈夫ですか?」 エイスリン「ンッ……あッ……」ハァハァッ 京太郎(ま、不味い不味い)アセッ エイスリン「んぁ、きょ、キョータロっ……!」ガシッ 京太郎(な、腕掴まれて、これ不味いって!)アタフタ エイスリン「キョータロ……」ギュー 京太郎「そ、そこで待ってます!」バッ エイスリン「アッ!」 シュバッ 京太郎(よし、天使のエイスリンさんがあんないやらしい顔をするはずがない!よし、これは俺の妄想だと割り切ろう……)ウンッ ウッ、フゥ…… 京太郎「……あぁ、世界って最低」 エイスリン「キョータロ!」 京太郎「あ、エイスリンさん……」 エイスリン「ハイ!」(笑顔の絵) 京太郎(もう大丈夫ってことかな?) エイスリン「モドロッ!」 京太郎「はい、戻りましょうか……」 エイスリン「ウン!」ニコッ 京太郎(俺って最低……)ハハッ 部室- エイスリン「タダイマ!」 トシ「大丈夫だったかい?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「戻って来てたんですかトシさん、あと、すみません」 豊音「なんで京ちゃんが謝るの?」 京太郎「いや、もしかしたら俺のせいかもしれないし」 塞「う~ん、でもわざとじゃないなら京太郎のせいとも言い切れないし……」 胡桃「京ちゃんとかシロみたいな能力に詳しい人とかいればいいんだけどね」 白望(たぶん知ってる人がいる……) 京太郎(グラマス、あの人からは凄みを感じる、なにかを知っているという凄みを……)ゴクリッ 京太郎(まぁ今はそれはともかく、どうするか……) 京太郎(あまったのは俺と豊音さんか……トシさんどっか行ったし) 豊音「それにしても京ちゃんは凄いよねー私たちは誰も勝てないし、三尋木プロが師匠だしー」 京太郎「まぁ、咏さんは教えるの下手ですけど……俺が咏さんから何かつかめたのは幼馴染の咲って奴のおかげでして」アハハッ 京太郎「折れかけた俺にそいつが『京ちゃんならきっとできる』って言ってくれたんですよ、そのあとにコツみたいなのも教えてもらって……そっからですかね、喰うということができるようになったのも」 豊音「へぇ、私は誰かと麻雀できたのも最近だからー」 京太郎「麻雀、おもしろいですか?」 豊音「うん、それもだけど……それよりもみんなと打てるっていうのが楽しいんだよー」ニコニコッ 京太郎「あぁー」 京太郎(あって二日なのに“らしい”なんて考えちまったなぁ……) 旅館・部屋- 咏「京ちゃん~」 京太郎「はい?」 咏「あのさ、大事な話なんだけど……ちょっと用ができて行かなきゃなんないとこができてさ」 京太郎「え、岩手で?」 咏「いや、県外」 京太郎「俺は……」 咏「そこで相談なんだけど、岩手はまた今度来るとして一緒にいかないかい?京ちゃんのためにもなると思うんだよねー」 京太郎「えっと……俺は……」ウムムッ 京太郎「一緒に行きますよ、といってもゴールデンウィークも今日を除けば後三日ですけど」 咏「ごめんね、一応言っとくと場所は……」 咏「東京で臨時に仕事が入っちゃってね、なんか知らんけど」 京太郎(解説とかなんだろうなぁ) 咏「ついでに白糸台にも行く予定だから、京ちゃんもおいで」 京太郎「白糸台かぁ……え、あの名門!?」 咏「ふふん、いい刺激になるだろうからね、お互い……わからんけど」 京太郎「まぁとりあえず五人にメール送らないと……」 京太郎「えっと……」 本文『突然なんだけどさ、明日東京に行くことになった』 差出人:シロ 本文『みんな寂しがると思うよ、豊音は泣く』 京太郎「うっ……胸が痛むなぁ」 本文『まだみんなににメール送ってないから、明日なんとか言っておいてもらえないか?』 差出人:シロ 本文『私が最初だったの?』 京太郎「そうだな」 本文『一番、話しやすかったから』 差出人:シロ 本文『断ろうかと思ったけど、わかった ダルいけどみんなに行っておく』 京太郎「ふぅ、助かった」 本文『ありがとうな』 差出人:シロ 本文『そのかわり、今度来る時は必ず最初に連絡してね』 京太郎「よし!」 本文『了解だ、必ず連絡する おやすみ!』 京太郎「これで良しだな、みんなには悪いけど」ハァ 26日目終了- 27日目- 京太郎「……まだ昼前ですね」 咏「思ったより早くついたね、わからんけど」 京太郎(東京すげー、大阪も大概だったけど長野と岩手じゃくらべものにならん人の数だ)キョロキョロ 咏「キョロキョロしすぎだよ、知らんけど」 京太郎「おっとすいません、とりあえずどこ行くんですか?」 咏「ウチに決まってんじゃん、今日からウチに京ちゃんは泊まるんだから」 京太郎「……ファッ!?」 三尋木咏家- ガチャッ 京太郎「マンションなんですね」 咏「一軒家は一人で住むもんじゃないしねぇ、わからんけど」 京太郎「お邪魔しまーす」 咏(ただいまって行ってくれたら最高なんだけど) 京太郎「えっととりあえず荷物は」 咏「寝室に運んどこうか……この後はお昼行こうね」 京太郎「はい」 昼- 京太郎「どこに行くんです?」 咏「ん~わかんねー……誰か頼った方がよさそーじゃね?しらんけど」 京太郎「俺は東京に知り合い……いませんね」 京太郎(照さんは連絡先しらないし、というより俺のこと覚えてんのか?) 咏「じゃあ暇そうなのだね、彼氏とか旦那居なくてゴールデンウィークも暇そうなの……」 咏(あれ、知り合いのプロとかって全員そうじゃね?) 咏「じゃあ……」 咏(すこやんで良いか、暇かな……暇だろ、知らんけど)ポチポチ 咏「どういうとこが良い?詳しそうな相手に聞いてみるけど」 京太郎「ん、そうですね……」 京太郎「ファミレスとかで良いですよ」 咏(それなら私も場所わかるけど、まぁ良いか) 本文『30分後に前に行ったあそこのファミレス集合』 ブブブッ 咏「早い」 差出人:すこやん 本文『突然すぎ!』 咏「行こうか京ちゃん!」 ファミレス- 咏「よし、席のことも教えたし……あとは来るの待ってればいいよ」 京太郎「咏さんの知り合いですよね?」 咏「うん、小鍛冶健夜、京ちゃんも知ってるよね」 京太郎「え、あの小鍛冶健夜ですか!?」 咏「じゃ、あたしは少しトイレに行ってくるから」タッタッタッ 京太郎「う、咏しゃん!?」ビクッ 京太郎「ど、どうしよう……あ、あれ小鍛冶プロだ」 健夜(もぉ、私も暇じゃなかったんだけどなぁ……妙な感覚がしたし)ハァッ 健夜(そういえば……お、男の子連れてくるって言ってたっけ?咏ちゃんの知り合いの男の子って例の弟子ってやつ?)ドキマギ カランカラン 健夜(ここだよね、で席は窓際の一番端……って、あの男の子?金髪で長身でおまけにイケメン、それに一人だ!) 京太郎「あ、小鍛冶プロ」 テクテクテク 健夜「えっと、咏ちゃんの?」 京太郎「はい、須賀京太郎って言います」 健夜「は、はじめまして!小鍛冶健夜です!」 健夜(これまさか、この男の子が私と二人にしてほしいとか咏ちゃんに頼んだ!?とうとう来る!?私の春!) 咏「おー来てた」フリフリ 健夜「そんなわけないかっ」ガクンッ 京太郎「え、どうしたんですか?」 咏(京ちゃんは渡さないよー)ニヒヒ 咏「まぁ注文もしおわったし、このあとどうするーわっかんねー」 健夜「考えてなかったの!?もぉ、ちょっとは考えてから誘ってよ……」 咏「だって最初は東京のおいしいとこ知ってる人探してたんだしねー、知らんけど」 京太郎「すみません、俺がファミレスで良いなんて言っちゃったもんで」 健夜「別に須賀君は悪くないよ!」 京太郎「んーでも、この後かぁ」 咏「ちなみに夕方から白糸台ねー」 京太郎「麻雀してみたいですね、小鍛冶プロと!」 健夜「えっと……須賀君、本気?」 京太郎「もちろんですよ!」 咏「……好きにしていーよ、ただどうなってもしらんけど」 京太郎「まぁ、強いのはわかってますから……胸を借りるつもりで打ちますよ!」 咏「借りるほどの胸もないけど」 健夜「咏ちゃんもじゃん!」ガーン 京太郎(福与アナとの絡み良くテレビで見るけど、まんまなんだな……) 雀荘- 京太郎「へぇ、なんかソフトな感じの雀荘ですね……地元思い出します」 健夜「たまに麻雀やりにくるんだけどね」 咏(何人壊したんだっつーの、知らんけど) 京太郎「よし、じゃあやりましょう!」 京太郎「よろしくお願いします!」 咏「よろしくねー」 健夜「よろしく」 モブ「よろしくお願いします!」 モブ(こ、小鍛冶プロと三尋木プロだ!しかも対面はイケメン!)ワクワクッ 京太郎(さて、使うか?) 咏(本気でいかないと狩られるからねー) 健夜(なんか、この感覚……須賀君から?でも、ちょっとは手加減した方が良いよね、高校生だし) モブ(私だって会社じゃ負けなしなんだから!) 京太郎(あまり良く無いか) 咏(これ、使うしかないのかな?) 健夜(うー勝てないかもー) モブ(最高の手牌……) 咏(来たっ!)タンッ 健夜(この感じ……?) モブ(能力持ち?) 咏(なら、私も行こうかい!)ゴッ 能力『迫りくる怒涛の火力』発動 京太郎(咏さんか!)グッ 京太郎(ここで発動するもんじゃないな!) 健夜(ん、今の感じ……ネトマで……) モブ(じゃあ私がやるから、良いかな!) 能力『ノーネーム』発動 京太郎(この人も能力持ち!?)ググッ 咏(京ちゃん、やるのか!?)ゾクッ 健夜(この感じ!間違いない!)ゾワッ モブ(なに、これ!?)ビクッ 京太郎(さぁ、いただきますよモブさん!)ニッ 能力『魔物喰い』を発動、さらにステータス食欲が暴食のためゾロ目でクリティカル モブ(くっ!) モブ(なに?大きな、口?) 京太郎「」ニィッ 健夜(なるほど……)スッ ※能力『魔物喰い』に対するチェーン発動 能力『タキオン・トランスミグレイション』発動・成功 東場にのみ使用可能、東場にて発動してきたすべての能力を無効にし、この半荘で使用を不可能にする この能力に対する能力のチェーン発動はできない ザンッ 京太郎「なっ!?」 京太郎(なんだ、今の……どうなった!?) モブ(た、助かったの?でも私の能力……使えない?)アゼン 咏(やっべぇ……)アセッ 健夜「ツモ……リーヅモ平和ドラ1裏1、2000・4000」ジャラッ 咏(やられたね) 京太郎(んな、ここまでッ!?) モブ(こ、これが……小鍛冶、健夜っ……) 京太郎(くっ、もう喰えない気がするぞ、くそ!) 咏(京ちゃん、そもそも勝てない戦いだ……闘志が消えてないなら……) 健夜(そっか、ネトマでも感じるようなあの感覚は……須賀君、君が……) モブ(そんなっ……だって、私がここまでっ……)ウルウル 京太郎(よし、これなら!) 咏(わっかんねー) 健夜(とりあえず須賀君の暴食は封じたし問題ないかな?) モブ(この手牌なら!) 健夜(ん、これは……) 咏(私のを使う感覚っ!) モブ(つ、次はなに?) 京太郎(さぁ、火力で潰す!) 能力『迫りくる怒涛の火力(喰)』発動 京太郎(行く!) 能力『迫りくる怒涛の火力』成功:直前とその後二度の和了判定安価が最上位になる 効果処理終了 咏(私が失敗したのを使うなんて、やるね京ちゃん) モブ(動けない……) 健夜(じゃあ、これでどうかな?) 能力『オネスト』発動:次の安価にて出た点にもっとも低い点を加算する 京太郎(きてるってわかってんのに!) 健夜「4000・8000です」ジャラッ 咏「まさか……ねぇ」 京太郎「そ、んなっ……」 モブ「」フルフルッ 京太郎(モブさん?) モブ「ッ!」ダッダッダッ 京太郎(で、出てった……) トップ 健夜 61+95=154 二着 咏 49+62=111 三着 京太郎 15+86=101 ラス モブ 11+16=27 咏「わかったかい京ちゃん、これが最強だよ」 健夜「あ、あんまり言わないでよ……というよりあの子大丈夫かなぁ?」 咏(壊れたな、これはわかる……京ちゃんは?) 京太郎「ッ……」 咏(あぁなるほど……もう京ちゃんは私じゃ教えられないな)シュン 健夜「そっか、須賀君……良かった、君で……」 京太郎(どうした?) 健夜「思考でわかってないならそうなんだよ、君はこっち側だ……私を相手にして笑ってくれてる」 京太郎(笑ってる?)ソッ 京太郎「ははっ……はははっ!」 京太郎(口が、笑ってる……この感覚、小鍛冶さんを、喰いたがってるのか?) 京太郎「すみません、あ~笑い疲れた」 健夜「うん、それと君がそうだったんだね」 京太郎「あぁ……喰えることですか?」 健夜「うん、私の友達にもいるんだけど……なにか足りない気がする。会ったらどうなるかわかんないから、ちょっと心配かも」 京太郎「そ、それは怖いですね」アセッ 咏「白糸台、行こうか京ちゃん」 京太郎「あ、はい咏さん!それじゃ小鍛冶さん、また!」 健夜「うん、せっかくメアド交換したんだしメール送ってね」 京太郎「はい!」 咏(いつの間に交換した!?) 咏「ほら行くよ京ちゃん!じゃ、またねすこやん!」フリフリ ガチャン 健夜「なるほどね……“暴食”か……」フフッ 健夜(そ、そういえばお父さん以外で男の人登録するのはじめてだ!)パァッ 白糸台- 京太郎「き、緊張しますね!」 咏「私ははじめてじゃないからそうでもないよ、知らんけど」 京太郎「ふぅ……照さん俺のこと覚えてるのかな?」 咏「わっかんねーかもね」 咏(そっちの方が私は良いんだけど) コンコン ?「どうぞ」 ガチャッ 咏「よ、部長さん……話した通り私の弟子を連れてきたよー」 ?「はい、男子でしたよね……君か」 京太郎(あれ、四人しかいない?) ?「私が部長で三年の弘世菫だ」 京太郎「えー、龍門渕高校一年の須賀京太郎です!」ペコッ 菫「須賀君だな、三尋木プロの一番弟子、期待しているよ」 京太郎「あ、はい!」パァッ ??「渋谷尭深です……」ペコリ ??「亦野誠子、よろしく!」 菫「……淡、お前の番だぞ?」 ?「へ、あ!大星淡、よろしく!」ビシッ 京太郎(うお、妙なハイテンション!しかも指ビシッって!) 京太郎「それにしても、あの白糸台の『チーム虎姫』と会えるなんて思ってもみませんでした」アハハ 淡「んっふふ!この高校百年生がそこまで有名になってるなんてね!」 菫「チーム虎姫だと言っているだろう、そういえばアイツはどこに行った!また迷子か!」 ガチャッ 照「今戻った……?」 京太郎「あ……」 照「……京ちゃん?」 京太郎「あ、覚えてた……」 照「覚えてたって?」 京太郎「いや……その、もう覚えてないかと」 照「さすがに良く遊んでた相手を覚えてないとかないよ」クスッ 京太郎「あはは、まぁ確かにそうですね」 菫「ふ、二人は知り合いか!?」 照「中一の頃よく遊んでた」 照(まぁ咲と一緒にだけど) 京太郎「まぁ、そんな感じです」 照「なんで敬語?」 京太郎「だって、三年生と一年生ですし」 淡「別に私は気にしないよ!」パァッ 京太郎「俺は気にします!」 淡「えぇ~」 照「私も気にしないけど」 菫「後輩へのしめしとかあるだろう……」 照「淡の時点でだいぶ無いけど?」 菫「あれが増えたらたまったものじゃない!」 淡「えースミレ酷い!」 ワイワイ ガヤガヤ 尭深「これ、どうぞ」スッ 京太郎「お茶ですか?」 尭深「うん」 京太郎「ありがとうございます」ズズッ 咏「おいしいねー」 京太郎「で、打つんですか?」 咏「そうだね、私は京ちゃんと打つメンバー以外を見るよ」 京太郎「打つですか……一回は打った方が良いですよね」 咏「すこやんと打った後はキツイ?」 京太郎「さすがに、キツいですね」 淡「えー!じゃあなにしに来たのさ!」 京太郎「いや、まぁ確かにそうなんですけど」 照「明日も来るんでしょ?」 京太郎「えー」チラッ 咏「ん、来るよ?」 京太郎「らしいので、明日は必ず」 菫「そうか、まぁ弱ってる相手と戦っても仕方がないからな……今日は挨拶できただけで良いだろう」フム 京太郎「ありがとうございます」 菫「なに、君には期待しているからね」 咏「なら私と打つか!」スッ 淡「じゃあ私!私が勝つ!」 菫「尭深、誠子、二人も参加しろ」 尭深「はい」 誠子「わかりました」 京太郎「あの照さん……咲とは今」 照「咲の話は無し」 京太郎「え……はい」 京太郎(どうしたんだろ?) 恋愛力80以上のためミニイベント 京太郎「そう言えば照さん、ずいぶん綺麗になりましたよね、すっかり大人って感じで」ニコッ 照「……そう」フイッ 照(相変わらずだ……) 菫「須賀君、さっそくうちのエースを口説くな」 京太郎「え、いやいや!そんなつもりは!」 菫「他から見れば口説いてるようにしか見えないぞ」 京太郎「あ~……それは失礼しました」 菫「まぁ、照と昔つるんでたということは……これのポンコツっぷりも知っているということだな」 照「なにそれ」 京太郎「いや、まぁその……迷子になりやすくてちょっと抜けているというか」 菫「完全にポンコツだな」 照「菫、私はポンコツじゃない」 菫「私がどれだけ苦労してるか……」 京太郎「まぁまぁ」 菫「麻雀をやってる時は間違いなく、すさまじいのだが」 京太郎「麻雀やってたら、ですか……」 京太郎(咲もそんな感じだよなぁ) 菫「ちょっとだけ須賀君に親近感を感じた」 京太郎「俺もです」 照「」ムッ 咏「そろそろ帰ろうか」 京太郎「あ、はい!」 菫「それじゃ、また明日」 京太郎「ええ、明日は打ちましょう」 淡「京太郎!プロの弟子だかなんだか知らないけど、高校百年生の足元に這いつくばらせてやるからね!」 京太郎「いきなり名前呼びかよ、ていうか負けるのはどっちだか」 淡「むっ!明日おぼえてなさいよ!」 京太郎「おう、おぼえてるよ」 照「京ちゃん、メールしてね」 京太郎「はい、また明日!」 咏「行くよー」 京太郎「あ、それじゃ!」 誠子「また明日」 尭深「お茶、ごちそうするからね」 咏「さて、私これから実は仕事だから、先帰っててくれねー?」 京太郎「了解です」 咏「晩御飯はお弁当とか買っといてね、私のぶんもよろしくー何がいいとかどーでもいいから」オサツ 咏「これ、帰り道までの簡易地図」 京太郎「はい、それじゃ!」 咏「またね」フリフリ 京太郎「迷子になんないようにしねーとな!」ヨシッ スーパー- 京太郎「さて、疲れたけど……」キョロキョロ 京太郎「今日は弁当って言ってたっけ?」 京太郎「さて、食材も買ってきたし……勝手に使っても良いかな?いや、良いよな!」ウン 料理:対応力100のため判定成功 京太郎「おぉ、上手にできたぞ!」グッ 三尋木咏家- 咏「あー疲れた」ガチャッ 咏「針生ちゃん、なんかイライラしてたな、わっかんねーけど」 咏(あれ、良い匂い?)タッタッタッ 京太郎「あ、咏さんおかえりなさい!勝手に料理作っちゃいましたよ?」ニコッ 咏(結婚しよ……) 京太郎「さぁ食べましょうか」 咏(10時過ぎなのに、待ってたんだ……) 京太郎「さ、座って!」 咏「うん、いただきます」 京太郎「召し上がれ、じゃあ俺もいただきます」 パクッ 咏「ん、おいしい!」 京太郎「はは、安心しました」 咏(結婚しよ) 京太郎「さて、お皿も洗い終わったし……」 咏「う~ん……」zzz 京太郎「あれ、座布団の上で寝ちゃってる」 咏「んっ……京、ちゃん……」zzz 京太郎「ちょっと、くるな」ムラッ 京太郎(咏さん、俺のこと好きだって言ってたし……) 京太郎「布団に運んだ方が良いよな」ヨシッ 布団をしいてから、咏を抱えて運ぶ。 京太郎「……さて、どうするか」 京太郎「お、メールかぁ」 京太郎「お、小鍛冶さんからだ!」 差出人:小鍛冶健夜 本文『今日はありがとう、また誘ってね』 京太郎「おぉ……でもまたやりたいな」 本文『はい、またやりましょう、その時は誘いますね! あと、今度麻雀とか教えてください!』 差出人:小鍛冶健夜 本文『うん、なにかあったら私の知り合いとかにも会わせてあげるね きっといい経験になると思うから』 京太郎「優しいな、小鍛冶さん」 本文『楽しみにしてますね、それではまた!』 京太郎「あとは、咲か!」 差出人:咲 本文『また旅行中?』 京太郎「あれ、家に来たのか?」 本文『ああ、咏さんに誘われて今東京だ 照さんにも会ったぞ』 差出人:咲 本文『そうなんだ、お姉ちゃんなにか言ってた?』 京太郎「ん……まぁ言う必要はないか」 本文『特になにも無かったぞ』 差出人:咲 本文『そっか、まぁ全国大会で当たるかもしれないから おやすみ』 京太郎「あいつ、勝ち進む気満々じゃねぇかよ」 本文『龍門渕をなめるなよ! またな!』 小鍛冶家・健夜部屋- 健夜「お、お父さん以外の男の人とは初めてメールした!」ドキドキ 健夜「それに今度麻雀打ってくれるって言ってたし……こ、これは来た!?」 スコヤシズカニシナサイ! 宮永家・咲部屋- 咲「また咏さんと旅行……京ちゃんと咏さん付き合っちゃったりしないよね?」オソルオソル 咲「それにお姉ちゃんと会ったなんて、ずるいなぁ」ハァッ 咲「全国で会って……倒すけど」ゴッ 京太郎「さて、メールも終わったし、寝るかな」フゥ 京太郎「……どこで?」 京太郎「さて、寝るか!」 そのまま畳の上で横になる。 京太郎(夏で良かったよ) 27日目終了- 28日目- 三尋木咏家- 京太郎「んっ……あ、布団?」 咏「あ、京ちゃん起きたんだ、悪いねそんなとこで」 京太郎「ええ、かけてくれたんですね」 咏「今日はちゃんといっしょに寝ようね!」 京太郎「はい」 京太郎(俺の理性が心配) 咏「朝御飯食べよ」 京太郎「咏さんの手料理?」 咏「ま、まぁ京ちゃんほどうまくねーけどね、知らんけど」 京太郎「いただきます!」 咏「召し上がれ」ニコニコ 咏「それじゃ仕事行ってくるから、昼に白糸台集合ね」 京太郎「了解です、行ってらっしゃい」ニコッ 咏「うん、行ってきます」ニコッ ガチャッ 京太郎「さて、どうするかなぁ……」 京太郎「昨日の雀荘行くか!」 ガチャッ 京太郎「合鍵も貰ったし、よし!」 427 名前: ◆UZHjcaahjs[saga] 投稿日:2014/04/14(月) 23 23 38.69 ID Gy6pc3GN0 [31/36] 雀荘- 京太郎「さて、打つか!」 京太郎「さて、どんな人と会うか……」 京太郎「よろしくお願いします!」 おっさん「おう、よろしく」 おっさん(こいつの顔、どっかで……) モブC「よろしくね」 ??「よろしく~☆」 京太郎「え?」 モブC「は、牌のお姉さん!は、はやりん!」 京太郎「瑞原……はやりさん!?」 はやり「よろしくね☆」 京太郎「よ、よろしくお願いします!」 おっさん「よろしく」 モブC「よろしくお願いします」 はやり「よろしくね☆」 モブC(このプロキツい……) はやり(ふぅん、これがキョータロ君か☆) 京太郎(どうするか……) おっさん(こいつ三尋木プロと居た奴じゃね?大阪で……) モブC(キツくても相手はプロ、本気でいかないと!) はやり(暴食、楽しみだね☆) 京太郎(これ、大丈夫か?) おっさん(ちっ、まぁこれで……) モブC(どうしようかな) はやり(にゃはは、じゃあさっそく☆) 京太郎「カン!」 はやり(ん、来るね☆) おっさん(さて、どうするか) モブC(鳴いた?) 京太郎(さぁ、進撃だ!) 能力『魔王の軍勢(喰)』発動 京太郎「もいっこカン!」 おっさん(なに!?) 京太郎「もいっこカン!」 モブC(お、おかしい……) 京太郎「ツモ、嶺上開花……32000です」ダンッ 効果処理終了 はやり(へーおもしろい!私も上がりたいな☆) 能力『強欲:Aメロ』発動 はやり(あはは☆来るんだ!)ゾクッ おっさん(ん、どうした?) モブC(なんか、ピリピリしてる?) 京太郎(さぁ、牌のお姉さん……もらう!)ニッ 能力『魔物喰い』を発動、さらにステータス食欲が暴食のためゾロ目でクリティカル はやり(にゃはは☆) はやり(あぁ、これが暴食かー☆) おっさん(どうしたんだ?) モブC(なんか肌がピリピリするなぁ) はやり(食べられるのは私かー☆) はやり「にゃはは、おいで☆」 京太郎「ッ!?」 ガッ はやり「ッ!?」ビクッ グチュッ ブチッ グチッ ググッ ブチリッ 京太郎「ッ……」ニッ 能力『魔物喰い』クリティカルヒット:相手の能力を無効にし次コンマ下二桁を00する。 はやり(あ、あはは☆これが、暴食っ?ま、っさかぁ……こ、んなの……)ビクンッ モブC(なに?) おっさん(どういうこった?) はやりん「ッ……!あ、はは☆」ガクッ モブC「瑞原さん!?」 京太郎「あ、瑞原さん!」 はやり「にゃはは、ま、まぁ……ちょっと外、出ようか……すぐ近くの公園までッ、良いよね☆」ピクッ 京太郎「は、はい……」 はやりに肩をかして京太郎は一緒に出ていく 公園- 京太郎「あの、すみません瑞原さん」 はやり「あはは、はやりで良いよ♪だって……わかってるよね☆」ニコリ 京太郎「まぁ……」 はやり「私は“強欲”だよ、君は暴食?」 京太郎「はい、そう教えてもらいました」 はやり「教えてもらったって?」 京太郎「自分のこと、良くわからないんですよ……一応“怠惰”とは会ったんですけど」 はやり「ふぅん、でも君ね、たぶんだけどそれだけじゃないよ☆」 京太郎「は?」 はやり「さっきの、気持ち良くなったあれは……」ペロッ 京太郎「」ドキッ はやり「たぶん、“色欲”だぞッ☆」 京太郎「え?だって、俺今までいろいろ喰ってきて」 はやり「だからぁ、君はたぶん一人で二つ持ってるよ☆」 京太郎「え、え?」 はやり「うん、喰べられた私だからわかる……君は色欲も持ってるんだよ!」ビシィッ 京太郎「そ、そんなこと……」 はやり「良かったね!」 はやり「まぁ会ってすぐに狩ろうと思ったけど今回はやめとくよ☆」 京太郎「狩る、ですか?」 はやり「まぁナニを狩ろうと思ったかは秘密だね♪」 京太郎「ッ」カァッ はやり「お姉さんとの秘密だゾ!それじゃ、メールアドレス交換しよっか!」 京太郎「あ、はい」 はやり「ん、君の感覚が強い理由もわかったしこれでいつでも連絡取れるでしょ?たぶんだけど、私たちが惹き合ったのは意味があると思うんだよね☆」 京太郎「意味、ですか?」 はやり「うん、キョータロ君はかっこいいからね☆」 京太郎「あ、京太郎で良いですよ」 はやり「じゃあ京君♪」 京太郎(突然あだ名!?でも豊音さんとはまったく違うなぁ) はやり「京君、また会おうね♪」フリフリ 京太郎「あ、はい!」 はやり「またねー」タッタッタッ 京太郎(……良いおもちだった)シミジミ 昼- 京太郎「さて、昼だがどうするか……金はまだあるし外食とかもできるな、昼に誰か誘うかなぁ」 京太郎「誰かを誘おう!さて、東京に居る人……はやりさんもありか」 ファミレス- はやり「まさかさっそく誘われるとは思いもしなかったよ☆」 京太郎「すみません」ショボン はやり「あはは、まぁ良いけど☆」 京太郎「ここは俺がおごりますからね!」 はやり「そこは牌のお姉さんに任せなさいッ☆」ウインク 京太郎「あ、はい!」 京太郎(おもちも容姿も完璧なんだが……この痛さなんとかならんか)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6258.html
朝 京太郎「……あれ、ここどこ?ああ、洋榎達の家に泊まったんだっけ…今が六時だから……帰るか。置き手紙を書いてっと。」のそのそ ??「待ちや」 雅枝「何処に行くんや?」 京太郎「いや、その、そろそろ帰ろうかなって…」めそらし 雅枝「そうやろうな…全く、本当に子供らしくないな」 京太郎「すいません」 雅枝「ならこれだけ持って行き」封筒を差し出し 京太郎「なんですか、これ?」 雅枝「自分で確認しい。ほら」 京太郎「……四万って、受け取れませんよ!」 雅枝「良いから貰っとき。新幹線代とタクシー代…色々とこみや。ポストにいれて行ったら岩手まで送り届けるからな」 京太郎「うっ…ありがたく貰っておきます」 雅枝「そうしとき…あと、これが昨日の答えや」 ギュ… 京太郎「えっ?」 雅枝「……」ボソボソ 京太郎「なっ!」カァァ 雅枝「それじゃあ、はよいき。娘達が起きたら面倒やで」 京太郎「えっ、あの、その…ありがとうございます」 雅枝「ふふ…どういたしまして」 梅田 京太郎「8時か…まだ時間はあるんだな」 京太郎「通勤ラッシュの梅田って地獄だよな」 バン…肩がぶつかり 京太郎「す、すいません」 セーラ「いや、別に…京やないか」隈があり、やつれている 京太郎「あれ、セーラさん…おはようございます」 セーラ「おはよう…なんでまだ大阪におるん?岩手に帰ったんとちゃうの?」元気がない 京太郎「今から帰るんですよ。それより、大丈夫ですか?」 セーラ「何がや?」 京太郎「そのなんと言うか…顔色が悪いですよ」 セーラ「…気のせいや」 京太郎「いやでも…」 セーラ「気のせいって言ってるやろ!」 京太郎「……」 セーラ「それじゃあ、ウチは学校があるから…」 京太郎「…はい」 京太郎(飯を食べてないな…水分もとってない。あれは倒れるぞ) セーラ「……」 フラ… 京太郎(やっぱり) ギュ…手を掴んで セーラ「…なんのつもりや?」 京太郎「俺とデートしましょ」 セーラ「……」 京太郎(うわぁ…明らかに不機嫌だよ。でもまあ、ついて来たって事は何かを聞いて欲しいんだろうな) セーラ「それで、なんでこんな高級そうな所に連れてきてどういうつもりや?」 京太郎「とりあえずご飯食べようかなって」 セーラ「ふざけてるんか?」 京太郎「いや、俺からしたら飯もロクに食べずに今にも倒れそうなあんたに言われたくないで?」 セーラ「喧嘩売ってるんやったら買うで?言っとくけど強いからな」 京太郎「…飯を食べたなら幾らでも良いですよ」 セーラ「……だからそれが…」 ガタ… 店員「お待たせしました。朝食セットA二つです」 セーラ「ちっ…」 京太郎「ありがとうございます」 店員「それではごゆっくりどうぞ」 セーラ「……食べへんで」 京太郎「強情ですね、食べればいいじゃないですか」 セーラ「お腹空いてない」 ぐうぅ…… 京太郎「身体は正直ですね」 セーラ「お、おまえの聞き間違いや!」 ぐうぅぅぅう… 京太郎「俺の耳も呆けたみたいです…また聞こえましたよ?」 セーラ「俺、お前の事嫌いや」箸を持ち セーラ「いただきます」 京太郎「どうぞ」 パク…もぐもぐ 粥を一口たべて セーラ「っ!」 パク、パク…もぐもぐ… 凄い勢いで食べていく 京太郎(美味い料理は偉大だな) パク…もぐもぐ セーラ「ふぅ…」完食 京太郎「どうでした?」 セーラ「美味か……普通やったで」 京太郎「美味しかったんですね」 セーラ「べ、別に普通って言ったやろ!」カァァ 京太郎「…そう言う事にしときます」 セーラ「なんやその言い方は…まあ、別にええけど」 京太郎「ありがとうございます」ニコニコ セーラ「………何も聞かんの?」 京太郎「聞いて答えてくれるんですか?」 セーラ「絶対に言わん」 京太郎「ですよね。だから少しずるい事を言いますね」 セーラ「ずるい事?」 京太郎「今、食べたご飯の分だけ喋って貰えますか?」 セーラ「はっ?」 京太郎「だから…」 セーラ「待て、食べた分は自分で払うで」伝票を見る セーラ「……なんでこんなにもするん?」伝票を持って固まり 京太郎「なんででしょうね…それでどうしますか?因みにこれはお願いじゃなくて強迫ですから」 セーラ「き、強迫なら仕方ないな」めそらし 京太郎「そうです。仕方ない事です」 セーラ「……解らんようになってきたんや…」 京太郎「何が?」 セーラ「このまま千里山の元エースとして居て良いのかが」 京太郎「何故そう思ったんですか?」 セーラ「あんたに麻雀で三回も役満を上がられて最後に振り込んだから…」 京太郎(俺のせいか…) セーラ「勿論、あんたのせいにするつもりはない。ただ、同じ高校生やのにここまで差があるなんて考えた事なかった。あの宮永照にでも打てば勝つ気でいれる。でも今の俺には京さんに勝てるビジョンが見えない…麻雀なのに勝てるビジョンが想像できひんのは致命的や」 京太郎「そうですね…麻雀は得点を稼いでそれを競う競技です。なのに勝てるビジョンが見えないのは致命的です」 セーラ「そうやろ…それをずっと考えてた…今の俺に千里山の中堅が務まるんかって」 京太郎「……」 セーラ「つまらん事やと自分でも思う。ただ…今まで信じてた物が信じれへんようになった…それだけで俺は止まってしまったんや。見えてた筈のビジョンも、皆と目指してる優勝も…今の俺には出来る気がせん」ポロポロ 京太郎「……天才の挫折ですか」 セーラ「はっ?」 京太郎「いや、セーラさんも天才の一人だったって事ですよ」 セーラ「一体何を言って…」 京太郎「役満三連続で心が折れたなら麻雀を辞めればいい」 京太郎「トキさんも智紀も和もハオも…悩む所が小さい。セーラさん、今貴女が思ってる言葉を当てましょう。お前は強いからそんな事が言えるねん。あんな槍があるから強いんやろ!ですよね?」 セーラ「……」顔を伏せて 京太郎「強いから、槍があるから…そんな事を羨む前にもっとやる事があると俺は思うんですよ。俺はそうやって義姉二人の扱きに堪えた。幼馴染達が麻雀って楽しいよねって言う度に俺は勝つ事を考えた」 京太郎「負けて悩むのは勝ちたいからだ」 セーラ「そんなん当たり前やん…勝ちたいに決まってるやろ」下を向いたまま 京太郎「ならなんで逃げる?」 セーラ「逃げてなんかない!」涙を流しながら顔を上げて京太郎を睨みつける 京太郎「逃げてますよ。無い物を欲して、悲劇のヒロインを気取って、格好とは全く逆ですね」 セーラ「うるさい…」 京太郎「なんですか?負け犬遠吠えなんて俺には聞こえません」 セーラ「黙れ!」 バン、ギュ…手を伸ばして京太郎の首元握り 京太郎「……次は俺を殴りますか?」 セーラ「…黙れ…黙ってや…なんで俺を…私を苛めるねん」 京太郎「……」 セーラ「私だってな…知ってるんや。甘えてるって…トキが一巡先が視えるって言って千里山のエースになった時、嫉妬した……羨ましかった…あれがあれば私はもっと強くなると思った!でも私には誇りがあった!その誇りがあるから頑張ってこれたんや!」 セーラ「それをへし折ったのはお前や、須賀京太郎!!」 セーラ「なのに…なんでお前は私を苛めるねん…私が何をしたんや」 京太郎「……貴女はどうしたいんですか?」 セーラ「はっ?」 京太郎「そのまま泣いてできないといって諦めるんですか?」 セーラ「仕方ないやろ!私には何にもないんやから!」 京太郎「だから聞いてるんだ。諦めるのか諦めないのか」 セーラ「……無理な物は無理なんや」離して座り込む 京太郎「…力をやる」 セーラ「…えっ?」縋るような眼 京太郎「オカルトが欲しいならオカルトの力をやる」 セーラ「ほんまか?」 京太郎「本当だ…ただし条件がある」 セーラ「条件…?」 京太郎「対価を支払ってもらう」 セーラ「……」 京太郎「カピーが言っていた…覚悟を示さない相手に与える物は何もないと」 京太郎(何よりこのまま凹んでいたらトキさんがネト麻をしてくれない可能性がある。それは困る) 京太郎「だから覚悟を示してくれ」 セーラ「わ、私は…」 セーラ「…本当に覚悟を示したらいいんやな?」 京太郎「ええ」 セーラ「……」立ち上がり、京太郎をみる 京太郎「……」 セーラ「……一回しかせえへんからな?」 京太郎「はっ?」 ギュ… 京太郎の顔に両手を添えて顔を近づけようとして セーラ(これでいいんや…)涙が出て バシ…セーラの顎の下をデコピンで弾き セーラ「痛っ!」 京太郎「な、何をしようとしてるんですか!」カァァ セーラ「何って覚悟を…」 京太郎「いいです、俺が悪かったから手を出してください」 セーラ「なんや…恥ずかしかったんか?」カァァ 京太郎「ああもう、へんな空気になったじゃないですか!」 セーラ「私が悪いって言うんか?ヘタレな京太郎が悪いやろ!!」 京太郎「へ、ヘタレなんかと違うぞ!」 セーラ「ヘタレやろ!私にキスされようとして拒否したんだから!ヘタレや!」 京太郎「うっ…いや、あれだろ、俺はあんな事を予想してなかったし…」 セーラ「ふん、京太郎はお子ちゃまやな」カァァ 京太郎「顔を真っ赤にさせて言っても説得力がないですよ」 セーラ「真っ赤ちゃうわ!」カァァ 京太郎「赤いじゃないですか!」 セーラ「違う!」 顔を突き出して 京太郎「違わない!」同じく セーラ「……」 京太郎「……」 セーラ、京太郎「ふははは…」笑いあい セーラ「手を出せばいいんか?」 京太郎「ええ、それでどうにかなります」 セーラ「ほら、これでええんやろ?」 ギュ…手を握り 京太郎「……対価が決まりました?」 セーラ「えっ?」 京太郎「俺の前では今の女の子で居てください」 セーラ「えっ?」 京太郎「二度は言いません」 京太郎(…この人が泣かなくても良いように…) ??「…その願い叶えよう」 京太郎「えっ?」 ドクン… セーラ「っーーー!」 バタ…椅子に座り込み 京太郎「なんだ今の…」 公園 セーラ「っ…ここは?」 京太郎「目が覚めましたか?」 セーラ「……何をしたんや?」 京太郎「秘密です」 セーラ「何をしたんか解らんねんな」 京太郎「えっ…なんでばれた」 セーラ「なんとなくや…ただ、少しだけ京太郎の事がわかるようになった」 京太郎「なんだそれ」 セーラ「なんやろな…まあ、なんでもいいやろ」 京太郎「それもそうだが…」 セーラ「それじゃあ、私はそろそろ学校に行かんといけないから」 京太郎「大遅刻だな」 セーラ「だれのせいやと思ってんの」 京太郎「知らんな」 セーラ「ふん…京太郎」 京太郎「なんだ?」 セーラ「ありがとうな」 ちゅ…頬 京太郎「えっ?」 セーラ「全国で会おう。私、頑張るから」 スタスタ… 京太郎「ギャップ萌えだと…」ダラダラ…鼻血 昼2 京太郎「久しぶりの我が家だ……何回目だこれ言うの?」 京太郎「寝るか…少し疲れたしな」 ーーーーーーー 夕方 ピンポーン… 京太郎「…っ?誰かきた?」 京太郎「はい、少し待ってください!」 ガチャ… ??「久しぶりだね」 京太郎「えっと誰ですか?」 ??「あちゃあ…忘れてるから。赤土春絵だよ。健夜さんの友人の」 京太郎「…あっ、お久しぶりです」 京太郎(健夜義姉さんの数少ない友人の一人だよな…) 春絵「それで健夜さんに用があるんだけど…居るかな?」 京太郎「義姉さんは居ませんが…」 春絵「マジで?今日、約束してたんだけどな…」 京太郎「何をですか?」 春絵「うん?いや、教え子のコーチをしてくれるって言ったからその打ち合わせに来たんだけど…」 京太郎「あれ、赤土さんって確かプロだったんじゃ…引退したんですか?」 春絵「ああ違う、違う。母校に麻雀部が復活したから、そこで顧問をしてるんだ。君の事も参考にさしてもらってるよ。岩手の大魔王さん」 京太郎「大魔王って…なんですかそれ」苦笑い 春絵「有名だよ。教え子の何人かも君の事をそう呼んでいるし」 京太郎「マジか…不名誉なあだ名だな」 春絵「健夜さんと良子の義弟なんだからそれくらいしかたないでしょ」 京太郎「そうですかね…」 春絵「それじゃあ私はそろそろ行くわ…健夜さんにも連絡をとらないといけないし」 京太郎「俺の方からも連絡をいれときますね」 春絵「そうしてくれると助かるよ。また全国で会おう」 京太郎「はい、楽しみにしてます」 春絵「私の教え子達は強いから」 京太郎「…俺の仲間も強いですよ」 春絵「知ってる」 夜 京太郎「義姉さんにメールを送っといてと…」 京太郎「ネト麻でもするか」 京太郎「えっと智葉さんと妹尾さんを誘ってみるか」 ーーーーー 智葉「久しぶりだな」 佳織「が、頑張らないと!」 京太郎「よし、勝った。あれウィスが着てる」 京太郎「ねりーさんからか…」 ーーーーー ねりー「ご飯粒は左についてた」 京「えっ?」 ねりー「解らないんですか?ロリコン」 京太郎「………ネリーさんだな」 京「ネリーさんでしたか」 ねりー「正解」 京「それでどうかしたんですか?」 ねりー「これ、私のスカイのIDとメルアド」 京「は、はぁ…」 ねりー「要件はこれだけ。それじゃあ」 朝 京太郎「……眠い」 カピー「パカパカ(久しぶりだな」 京太郎「三日ぶりだな」 カピー「パカパカ(旅行をしてきてタラさなかったのか…でもまあ、人妻に手を出すのはどうかと思うぞ」 京太郎「いやいや、手を出してないからな」 カピー「パカパカ(ふん…酒に弱いのに飲むからだ」 カピー「パカパカ(だから私に頼むがつるぺたか大きいかの二択どう言うことだ?」 京太郎「俺はまだ何も言ってないんだが」 カピー「パカパカ(言わなくても解るわ…全くそれに共通して負の面が出てきたら危ない奴らときている。刺されないと理解できないのか?」 京太郎「恐ろしい事を言い過ぎだろ」 カピー「パカパカ(知るか。まあ、本題にはいるぞ。とりあえず………どうしたいんだ?」 京太郎「いや、何がだ?」 カピー「パカパカ(イチャイチャしたいのかそれいがいなのか」 京太郎「イチャイチャしかないだろ」 カピー「パカパカ(……まあ、普通はそうだな。だが主はあれとイチャイチャしようとしたら少し厳しい」 京太郎「…なんでだ?」 カピー「パカパカ(強すぎるからだ。凡人の最大の嫉妬対象は天才だからな。過程を知らないあの女からしたら主は天才だ。だから秘策を授けてやろう」 京太郎「天才か…頭に努力とつけといてくれ」 カピー「パカパカ(…そうかもしれんな。まあいい…一度しか言わないぞ。自称凡人は秀才だ。秀才には秀才の誇りがある。それを守る為に必死だ。言葉で護り、行動で護り、意思で護る。全部壊してしまえ。イチャイチャはできる。唯一の今、主がマトモにイチャイチャできない相手だからな…壊すなよ」 京太郎「怖いことを言うなよ」 カピー「パカパカ(ふん…全員が主みたいに強くないのだ」 昼 京太郎「どこで食べよう」 部室 豊音「大阪どうだった?」 京太郎「…ごわごわしてた。長野や岩手に比べて建物も薄暗いし…何より星が無かった」 豊音「そうなんだ…どっちの方が良かった?」 京太郎「岩手だろ。空気が美味いし、星も見えるし、何より豊音達も居るしな。遅れたけど全国個人出場おめでとう」 豊音「ありがとう。皆で祭りを楽しまないとね」ニコニコ 京太郎「そうだな…これが最初で最後の祭りだからな。楽しまないとな」 豊音「…ねえ、京太郎」 京太郎「どうした?」 豊音「私達が卒業したら宮守を転校するの?」 京太郎「……どうなんだろうな」 豊音「…まだ先の話だから解らないよね」 京太郎「そうだな、まだ先だからな」 豊音「うん…でも良かったら宮守に居て欲しいよ」ボソ 京太郎「……」 放課後 京太郎「何をしようか」 京太郎「食料品がきれてるから買い物をするか」 京太郎「これだけ買ったら大丈夫だろ。明日は部活だな」 ーーーーーー 夜 京太郎「とりあえず昨日の分のノート作成はできたな」 京太郎「今日も頑張るか」 京太郎「スカイに居る身内で打つか」 ーーーーー 桃子「勝たしてもらうっすよ!」 慧宇「頑張らないと…」 透華「丁度いいですわ」 京太郎「捲られた…それにしても堅い勝負だったな。モモからウィスが着てるな。スカイで話すか」 ーーーーー 桃子「みんな強過ぎっすよ!」 京太郎「モモも空きあれば狙ってただろ」 桃子「…暴露てたっすか」 京太郎「今のメンツは本当に強いからな」 桃子「そうっすね。話は変わるけど、岩手個人優勝おめでとうっす!」 京太郎「ありがとう。モモも長野の個人戦勝っただろ?おめでとう。咲の試合を見たが見ててドキドキしたぞ」 桃子「ありがとうっす。嶺上さんは怖いっすからね」 京太郎「そうだな、あの咲は怖い」 桃子「ロンを凌いでも嶺上開花で削られるっすからね」 京太郎「実はあれには一個奥があるんだぞ」 桃子「ま、マジっすか…」 京太郎「秘密だがな」 桃子「本戦で当たらない事を祈るっすよ」 水曜日 京太郎「……大切なことを忘れてる気がする」 京太郎「お弁当を作るか…買い物もすましたしな」 ーーーーーーーー 昼 京太郎「何処で飯を食べよう」 京太郎「移動するのも面倒だし、教室で食べるか」 ??「あれ須賀君、今日は教室で食べるの?」 京太郎「まるで俺が食べたら駄目な言い方だな羽川」 翼「だって須賀君いつも先輩達とたべてるから」 京太郎「よく知ってるな」 翼「たまたまだよ」 京太郎「お弁当が豪華なんだが取引しないか?」 翼「唐翌揚げと卵焼きならいいよ」 京太郎「…仕方ないか」 放課後 部活 京太郎「久しぶりの部活だ」 京太郎「誰とうとうかな」 京太郎「今日は勝たしてもらうぞ」 塞「どうなるだろうね」 豊音「私も最初から全力でいくよー」 エイスリン「カツ!」 京太郎「負けたー!」 塞「私を潰そうとして豊音に振り込むからだよ。まあ、私が一位だけど」どやぁ 豊音「うぅ…エイスリンさんと京太郎を狙ったら塞にやられたよ…」 エイスリン「ワタシ、ナニモデキテナイ!!」 京太郎「次は、次は負けないからな」 塞「かかってきなさい」 豊音「次は塞を狙うよ」 エイスリン「マケナイ!」 帰り道 京太郎「そろそろ夏だな」 校門 咏「京太郎ー」ブンブン 京太郎「……なんで居るんですか?」 咏「なんとなく」 京太郎「…一人ですか?」 咏「二人に見えるかい?」 京太郎「…」 咏「……」ニコニコ 京太郎「家に来ますか?」 咏「行く。いや、悪いね?」 京太郎「来るつもりだったんでしょ?」 咏「どうだろうねー」 京太郎「眼が泳いでますよ。夕飯のリクエストとかはありますか?」 咏「ハンバーグ」 京太郎「ハンバーグか…買い物に行きますか」 咏「そうだね」 ギュ…手を繋ぎ 京太郎「……」手を見て 咏「どうかした?」 京太郎「いや、とりあえずスーパーに行きますか」 京太郎(こんなに小さかったんだ) 咏「おじゃましまーす」 京太郎「とりあえず手を洗っといてください。俺は準備しますんで」 咏「手伝う事はあるかい?」 京太郎「ないです…と言いたいですが野菜の下ごしらえを手伝ってください」 咏「了解」ニコニコ 京太郎「…なんでそんなに嬉しそうなんですか?」 咏「そう見える?」 京太郎「ええ」 咏「そうか…私は今嬉しいのか」ニコニコ 京太郎「咏さんって料理できたんですね?」 咏「当たり前。料理ができない女は行き遅れるからねー」 京太郎「……それは色々な人に喧嘩を売ってる気がしますが」 咏「大丈夫、大丈夫。生き遅れの知り合いなんてそんなに居ないから」ダラダラ 京太郎「冷や汗かきながら言う事じゃないですね…おっと、焼きあがったみたいです」 咏「ハンバーグの下にローズマリーを敷いて焼くなんて初めて知った」 京太郎「結構美味しくなるんですよ。柑橘系のソース、今回はレモンですけど相性もいいですし」皿に盛り付けて 咏「そうなんだ…流石京君だ、偉いぞ」 京太郎「それほどでもないよ、咏お姉ちゃん…あっ…」 ガタ… 咏「……」 京太郎「聞かなかった事にしてください」 咏「断る」 京太郎「卑怯ですよ、あの言い方は…」 咏「ただ確かめたくなっただけ…京太郎の中にまだ私は居るのかを」 京太郎「……捨てた人間が言ったら駄目ですよ」 咏「それもそうだね…でも私は…」 京太郎「それ以上は無しだ。今更、そんな事を言い出すのは本当に卑怯だ」 咏「……卑怯でもいい」 京太郎「聞こえない」 スタスタ…リビングに逃げる 咏「そう、私は卑怯でもなんでもいい…あんたが手に入るなら…側に居てくれるのなら…どんな事でもするよ」 京太郎「気をつけて帰ってくださいね」 咏「また遊びに来るよ」 京太郎「……車に乗れるようになってからですね」 咏「ば、馬鹿にするな!こう見えても免許はあるんだぞ!」 京太郎「足、届かないでしょ」 咏「届く!」 京太郎「はいはい…本当に駅まで送って行かなくて良いんですか?」 咏「ああ。知り合いがそこまで迎えに来てくれてるから大丈夫」 京太郎「知り合い…プロの方ですか?」 咏「そこは秘密。ただ女なのは確か」 京太郎「…別に性別は気になってない」 咏「嘘だね、顔にかいてるよ」 京太郎「……」 咏「それじゃあね、京太郎」 スタスタ… 京太郎「咏さん!」 咏「うん?」振り返り 京太郎「俺は昔のあんたが嫌いだ。今のあんたの方がずっと好ましいよ」 咏「…ふふ…ハハハ…当たり前よ」 バシ…扇子を拡げて スタスタ…また歩き始める 京太郎「昔と本当に真逆だな」ボソ 京太郎「……夏服を買いにいかないとな」 京太郎「ネト麻でもするか」 京太郎「洋榎でも誘ってみるか」 ーーーーーー 洋榎「京太郎からの誘いやったら受けへんわけにはいかんな」 京太郎「三位だ……どうも狙いうちされた気がする」 ♪ー 京太郎「洋榎からスカイか…もしもし」 洋榎「今の試合、明らかに狙われとったよな」 京太郎「やっぱりそう思うか?金糸雀って人に怨まれる覚えは無いんだがな」 洋榎「…どうやろうな。京太郎は麻雀の事では容赦ないから。それよりなんでウチに黙って帰ってん」 京太郎「いや、それはあの…起こしたらマズイかなって」 洋榎「…そう言う事にしといたる…だけど次はないからな!」 京太郎「覚えておきます…」 木曜日 京太郎「何をしようか」 カピー「パカパカ(なあ主」 京太郎「どうしたんだ?」 カピー「パカパカ(もし許嫁が三人できて一人しか選べないとしたらどうする?」 京太郎「残りの二人はどうなるんだ?」 カピー「パカパカ(秘密だ」 京太郎「…そうだな…とりあえずはカピーに相談だな。俺の事だけど明らかにおかしいからな」 カピー「パカパカ(まあ、主は12人と結婚した猛者だから関係ないか」 京太郎「ナースと仲よくなりたい」 カピー「パカパカ(本能に忠実だな」 京太郎「いや、買った覚えのない秘蔵本に良子義姉さんそっくりのナース本があったんだ」 カピー「パカパカ(それでそれに欲情したのか?」 京太郎「そうじゃなくて、本当にあんな重労働なのか聞いてみたいから」 カピー「パカパカ(腰振るのは二次元の世界だけだぞ」 京太郎「何言ってんだ、当たり前だろ」 カピー「パカパカ(…まあいい。神託はこれで一回中断するからな。解決していない神託が多すぎる」 京太郎「まあ、仕方ないか」 カピー「パカパカ(解決しなかった罰則は世界を持ち越すからな」 京太郎「世界?」 カピー「パカパカ(解らなくていいさ。とりあえずは…………全国で幸運に会えば会える。そこで挑発されるから勝て。蟹、天女、電波、厨二か……どれも私が嫌いな存在だな」 京太郎「そういや、なんで蟹が嫌いなんだ?」 カピー「パカパカ(一人で食べれないから」 昼 京太郎「……雨が降ってるな」 京太郎「寝るか……zzz」 羽川「あれ、須賀君?…寝てるのかな?」 ツンツン… 京太郎「……zzz」 羽川「珍しい事もあるんだね」 京太郎「……zzz」 「願い事を叶えてやる」 「どんな願いでも良いの?」 「どんな願いでもだ…私が視える人間は久しぶりだからな」 「……他の人に視えないの?」 「視えない。視えても困るからな」 「寂しくないの?」 「馬鹿か?元々独りだったんだ、寂しいわけがないだろ」 「そうなんだ…僕とは違うね」 「そうだな。私とお前は違う…ほらさっさと願いを言ってみろ」 「僕と家族になってよ?」 「はっ?」 「だから…」 「それはできないな」 「嘘をつくの?」 「う、嘘なんてついてないだろ!」 「お、大きい声を出さないでよ…でも嘘をついたよ。何でもできるっていったじゃないか」 「……記憶にない」 「嘘つきだ…先生が言ってたよ、記憶にございませんって言うのは嘘つきだって」 「私をあの腐れ政治家共と一緒にするな!」 「一緒だよ。嘘つき」 「ああ、解った、その願いを叶えてやる。私とお前は家族だ!その代わりお前は何として扱う!」 「カピバラ…」 「はっ?」 「カピバラでしょ?」 「私のこの美しい四肢をカピバラと……あれ?」 「それじゃあ帰ろうか。僕と君は家族なんだから」 「なんでカピバラなんだ…」ブツブツ 「…お姉さんよりカピバラの方が僕はいいよ」ボソ… 放課後 京太郎「懐かしい夢を見た気がする…」 京太郎「部活だな」 京太郎「あれトシさんも打つんですか?」 トシ「私が打ったら駄目かい?」 京太郎「いや、全力で行かしてもらいます」 トシ「…リベンジさしてもらうよ」 白望「ダルい…」 胡桃「負けない」 白望「……ズルい」 京太郎「いや、待て…俺にそれを言われても仕方ないだろ」 トシ「最速はやっぱり胡桃の方が早かったかね…」 胡桃「先生も私の待ちを握ってたから仕方ないです」どやぁ 白望「京太郎…」 京太郎「なんだ?」 白望「おんぶ…」 ぎゅ… 京太郎「ちょっ、急にどうしたんだよ」 白望「凹んだから…慰めて……あとできれば…ご飯も」 京太郎「……」 京太郎「仕方ない、一緒に帰るか」 白望「うん…」 エイスリン「シロ、ズルイ!」 豊音「そうだよー!」 塞「そうだ、そうだ」 胡桃「なら勝者権限で…」 京太郎「駄目だ。俺は今日、シロと帰る。なあ、シロ」 白望「うん」 京太郎「それじゃあな」おんぶ中 白望「ばいばい…」京太郎は見えないように勝者の笑みを浮かべて スタスタ… エイスリン「……ハメラレタ」 豊音「うん…負けたくないけど…どうしよう」わたふた 塞「あんな方法があったなんて」 胡桃「勝ったのに勝った気がしない…」 トシ「モテモテだねぇ、京太郎は」 豊音「…そう言えばトシさんの初恋ってどうだったんですか?」 トシ「私かい?」 胡桃「何それ、気になる」 エイスリン「キニナル」 塞「私も聞いてみたいな。」 トシ「なんだい全く、昔の事を聞くもんじゃないよ…でもまあ、負けたから教えてあげようか」 一同「やった!」 トシ「あれはね、私が17の時だった」 校門 京太郎「よし帰るか」 白望「待って…」おんぶをやめて降りる 京太郎「あれどうしたんだ?」 白望「こっちでいい」京太郎の左側に立ち寄り添って 京太郎「そうなのか?でもまあ雨に濡れるからもう少し寄っていいぞ」 白望「うん…」 白望「大阪どうだった?」相合傘 京太郎「豊音にも聞かれたぞ、それ。なんかこう…人が多かった。粉もんは美味しかったぞ」 白望「そう…誰かと麻雀は打ったの?」 京太郎「ネト麻のフレンドとその友達と打った…全力で挑んだから場の空気が悪くなってな…少し反省したよ」 白望「それは京太郎が悪い…普通の人だと危ない」 京太郎「危ないってなんだ危ないって。まあシロ達と打ってる方が今は1番楽しいけどな」 白望「……ありがとう」 京太郎「どうしたんだ急に」 白望「別に…」 京太郎「今のもしかしてあの有名人のネタ…」 白望「違う」 京太郎「ですよねー。おっと着いたぞシロ」 白望「うん…送ってくれてありがとう」 京太郎「おうまたな」右肩が濡れていて 白望「…風邪ひかないように」 京太郎「大丈夫だ、問題ない」 夜 京太郎「風邪ひかないようにしないとな…」 京太郎「まあ、ネト麻が先だな」 京太郎「和とハオが居るな」 ーーーーーー 慧宇「…またご主人様がいる」ぶる… 和「今日は勝たしてもらいます」 京太郎「負けた…スランプかな。呪われてる気がする」 ーーーーーー 金曜日 朝 京太郎「どうしたものか」 京太郎「お弁当だな」 ーーーーーーー 昼 京太郎「何処で食べようか」 トシ「須賀はいるかい?」 京太郎「どうかしました?」 トシ「いや、ちょっと見て欲しい物があるんだよ」 京太郎「見て欲しい物?」 トシ「とりあえずこっちにきておくれ」 スタスタ… 京太郎「わかりました」 ーーーーーーー 京太郎「それで俺は何を見れば良いんですか?」 トシ「これだよ…」少し錆びれた銀の指輪 京太郎「……」 京太郎「いや、特に覚えは…」 トシ「そうかい…まあ、当たり前の事か」 京太郎「差し支えなかったらそれが何か教えてくれますか?」 トシ「ああ、いいよ…これは初恋の証さ」 京太郎「初恋の証?」 トシ「そう…もう昔のはなしだけどね」 京太郎「大切な思い出なんですね」 トシ「どうだろう…昔の事だから覚えてないな」 部活 京太郎「部活だな」 京太郎「……なんでこんなに殺気立ってるんだ?」 エイスリン「キョウタロウガワルイ」 豊音「そうだよ、京太郎が悪い」 胡桃「あとシロも悪い」 京太郎「どう言う事なんだ」 京太郎「最後の最後で捲られた…」 豊音「麻雀は全力で挑むんだよ!」 エイスリン【魔王二人の絵】 胡桃「あの二人同時は流石に辛いよね」 エイスリン「ウン」 帰り道 京太郎「指輪が初恋の証か…」 豊音「一緒に帰ろう」 京太郎「おう、別にいいぞ」 ーーーーーーー 豊音「……」ニコニコ 京太郎「……」 スタスタ… 京太郎「なあ、豊音」 豊音「どうしたの?」 京太郎「豊音の初恋っていつなんだ?」 豊音「えっ?」 京太郎「いや今日、トシさんの初恋の証を見せられてさ…だから気になってな」 豊音「わ、私は…今も昔も初恋のままだよ」カァァ 京太郎「まじか…」 豊音「うん…京太郎はどうなの?」 京太郎「俺の初恋か…俺の初恋は年上の泣き虫のお姉さんだったな」 豊音「そ、そうなんだ」 京太郎「まあ小さい時の事だからよくわからないんだけどな」 豊音「…きっとそれは本物だよ」 京太郎「そうかな?」 豊音「うん。大事な思い出だよ」 京太郎「思い出か…確かに大切な思い出だな」ニコニコ 豊音(霞さんには負けないんだよー) 夜 京太郎「初恋か…」 京太郎「ふぅ…やっとまともに勝てたよ」 ーーーーーーーー 七月1日 土曜日 朝 京太郎「…眠い」 京太郎「とりあえず朝ごはんだな…」 ーーーーーーーーー 昼 京太郎「昼寝をするか出かけるか…」 昼寝 京太郎「…眠いから寝るか」 「それ以上したら駄目!死ぬ!血が無くなったら死ぬんだぞ!」 京太郎「はは、大丈夫ですよ。死にません。俺が勝って、あんたは自由になるんだ**さん」 「ふん…そんな絵空事をまだ信じるのか?私の持ち点は64000。それに対してお前はもう1000点しかない。諦めろ。そして死に怯えるがいい」 京太郎「…」 「ふん…こわくて喋れぬか。つまらん本当につまらない」 京太郎「最期に確認しておく…」 「なんだ?」 京太郎「この麻雀は役満はWや Tはありなんだな」 「できればな。この鷲巣麻雀で役満などまず上がれまい」 京太郎「そうか…ならいい」 オーラス 京太郎(義姉さん…約束を破るよ…俺はこの試合に勝つ為に) 灼熱に愛された者発動! 覇王に愛された者発動! 爆発王との縁発動! 焦土の覇王槍発動! 「な、何が起きて…」 京太郎手配 黒白白撥撥撥黒中中南南南黒 「い、イカサマだ!なんだその手牌はありえん!貴様イカサマをしただろ!」 京太郎「騒ぐな鷲巣、お前が振り込まなければいいだけのことだろ…怖いのか?」フラ… 「馬鹿を言え!この鷲巣様が恐怖で怯える事などない!」 京太郎「なら早くしろ」 「………」 (三枚握っている西は絶対にありえない…あの凡人にそんな事できるわけがない!」 コトン… 西 京太郎「……」ぶるぶる 「これではなかったようだの…だから貴様は」 京太郎「死ね、鷲巣。ロン!大三元…」 ドス… 京太郎「四暗刻単騎」 ドス、ドス… 京太郎「字一色…」 ドス… 京太郎「人和…16万点だ」 ドシュ…ぶしゃぁぁぁあ…血しぶき 「なっ、な、な、な…」 ゴトン…倒れる 京太郎「これで俺の勝ちだ……」 バタ… 京太郎「はっ…何だ今の夢は恐ろしすぎるだろ!」 ーーーーーー 夜 京太郎「…昼寝はするべきじゃなかったか?」 カピー「パカパカ(どうした、冷や汗が凄いぞ」 京太郎「いや、えげつない夢を見てな…」 カピー「パカパカ(夢か…そうだな、夢だな」 京太郎「何だその言い方」 カピー「パカパカ(気にするな。さて今日は質問だな」 京太郎「麻雀に勝てないんだが…」 カピー「パカパカ(くだらん質問だな。運が悪いだけだ」 京太郎「待ておかしいだろ、もっとこうなんかアドバイス的な物を…」 カピー「パカパカ(ない。今の主に何が足りないのか…簡単だ。運がないだけだ」 京太郎「納得できない」 カピー「事実だから仕方ない」 朝 京太郎「……熱い」 朝ごはん 京太郎「……風邪かな」 ーーーーーー 昼 京太郎「……」 スーパー 京太郎「…風邪だな」 トシ「おや、買い物かい?」 京太郎「えっ、あ、トシさんこんにちは。風邪気味なんでお粥でも買っとこうかなって」 トシ「確か料理はできた筈だろ?」 京太郎「たまには楽したって許されますよ」 トシ「……似てるね」 京太郎「どうかしました?」 トシ「いや…なんでもない。風邪なら早く帰るんだよ」 京太郎「大丈夫ですよ、男ですから」 トシ「ほう…そう言ってエイスリンに看病されてたのは誰だい」 京太郎「ははは…知ってたんですか」 トシ「教師だからね。程々にしときなよ」 京太郎「はい、わかってます。あっ、そういえば昨日、若い頃のトシさんみたいな女性の夢を視たんですよ」 トシ「私の若い頃か…どんなんだったんだい?」 京太郎「美人でしたよ。モノクルを着けて、俺の後ろに居たんです」 トシ「美人ねぇ…そんな事しか考えてないのかしら?」 京太郎「そ、そんな事ないですよ。だって俺、その美人の為に…」 ♪~ トシ「おっと電話だ…すまないね。もしもし…」 京太郎「いえ大丈夫ですよ。そこから先は俺と鷲巣って奴との麻雀の話ですから。それじゃあ、俺はもう行きますね」 スタスタ… トシ「鷲巣?…えっ、いや、こちらの話です」 トシ(なんで京太郎が鷲巣の事を知っている?) 夜 京太郎「…夏場の風邪は面倒だな」 カピー「パカパカ(寝ろ」 京太郎「第一声がそれかよ」 カピー「パカパカ(病人がわめくな。それにそれが風邪だとは限らないぞ」 京太郎「えっ、マジでか?」 カピー「パカパカ(どうかは知らんがな。とりあえず質問だろ。早く聞いて寝ろ」 京太郎「これって風邪じゃないのか?」 カピー「パカパカ(正直に言おう。インフルエンザだ」 京太郎「……えっ、冬じゃないぞ?」 カピー「パカパカ(新型だな。安心しろ死なないから。ただまあ看病はしてやる」 京太郎「まじかよ」 カピー「パカパカ(まじだ。朝一で病院だな」 京太郎「……寝たら治ってるから大丈夫だ」 カピー「パカパカ(それはない」 京太郎「聞こえない」 朝 京太郎「ゲホゲホ…これはまずいかもしれない」 カピー「パカパカ(だから言っただろ。学校には連絡をとっておいたぞ。病院には……行けそうにないな。仕方ない、薬をとってくるから寝ておけ」 京太郎「ガビー…」ポロポロ カピー「パカパカ(泣くな気持ち悪い。すぐ戻るから安心しろ」 京太郎「ん……zzz」 カピー「パカパカ(早すぎるだろ」 ーーーーーー 夕方 京太郎「…zzz」 ぎゅるびーん☆ ピンポーン… はやり「あれ、居ないのかな☆?」 ガチャ… はやり「あっ、京太郎……誰もいない?」 カピー「パカパカ(愚者か…まあ義姉や道化よりはマシか」玄関でゴロゴロ はやり「…お邪魔します☆」 バタン… はやり「誰も居ないのかな?でも靴はあるし…カピバラちゃんは解る☆」 カピー「パカパカ(インフルエンザだ」 はやり「わかるわけないか☆」 カピー「パカパカ(……これだから愚者は」 はやり「京太郎は何処に居るのかな☆」 スタスタ… ガチャ… はやり「…あっ、居た☆京太郎ー……」 京太郎「はぁ……はぁ……zzz」 はやり「熱…これが薬かな…?」隣にあった薬袋を見て はやり「新型インフルエンザ……あの二人は何をしてるのかな」マジギレ 京太郎「……っ…zzz 」 はやり「大丈夫だよ、京太郎。私が居るから…お粥と氷枕の交換…仕事もキャンセルしとかないと」真剣 京太郎「…はやり…姉ちゃん…?」 はやり「あっ、起きたら駄目だよ。少し待っててね、タオルとか持ってくるから」 京太郎「うん…」意識が朦朧として はやり「待っててお姉ちゃん頑張るから」 深夜 京太郎「うぅ…」 はやり「熱が下がらない…大丈夫だよ、京太郎。私が居るからね」 ーーーーーーーー 朝 京太郎「…っ…」目を覚まし はやり「…大丈夫だよ…」寝ており 京太郎「なんではやりさんが…」 カピー「パカパカ(感謝しておけ。寝ずに看病していたんだからな」 京太郎「そうなのか…」 はやり「大丈夫だよ…」 京太郎「ありがとう、はやり…お姉ちゃん」 はやり「うんうん、当たり前の事をしただけだよ☆」 京太郎「いや、それでもはやりさんもインフルになってしまう可能性が…」 はやり「大丈夫だよ」 京太郎「えっ?」 はやり「その時は京太郎に面倒をみてもらうから☆」 京太郎「……今回だけですよ」 はやり「潜伏期間を考えてあと6日は居れるね」ニコニコ 京太郎「それが狙いだったんじゃ…」 はやり「ぎゅるびーん☆はやり、難しい事がわからない」ニコニコ 夜 京太郎「……だいぶマシになったな」 京太郎「はやりさんと話すか」 京太郎「はやりさん」 はやり「どうかしたの☆?」 京太郎「いや、質問があって…」 はやり「子供受けがいいからだよ☆」 京太郎「俺まだ何も言ってない」 はやり「わかるよ、それくらい☆」 京太郎「そうなのか…凄いな」 はやり「当たり前だよ☆」 就寝前 京太郎「あれ…電話がなってる…」 From 姉帯豊音 インフルエンザって聞いたけど大丈夫かな?何かあったら言ってね。…本当ならお見舞いに行けたら良いんだけど…トシさんに念押しされたから皆いけないんだよ。また学校で会えたら嬉しいな。 京太郎「…やばい泣きそうだわ。ありがとうっと…」 From 姉帯豊音 どういたしましてだよ。暖かくして寝るんだよ。おやすみなさい。 京太郎「おやすみなさいっと…寝るか」 朝 京太郎「っ…朝か…」 京太郎「カピー…」 カピー「パカパカ(なんだ?」 京太郎「はやりさん、あんなに頼りになったんだな」 カピー「パカパカ(ふん…私の方が頼りになるわ」 京太郎「この前さ…鍵を拾ったんだけど…あれはなんの鍵だ?」 カピー「パカパカ(強制力か…気に入らんな。まあいい、話してやろう。あれは最期の扉を開ける事ができる鍵だ」 京太郎「最期の扉?」 カピー「パカパカ(そうだ。道化の欠片を拾ったらそれは完成する。気をつけろ…覚悟も無く扉を開けば全てが終わるからな」 京太郎「おいおい、なんだよそれ怖いじゃないか」 カピー「パカパカ(脅しじゃないぞ。私は事実しか言わないからな」 京太郎「覚えておくよ」 カピー「パカパカ(それとな…愚者はインフルエンザになどかからないからな」 京太郎「えっ?」 カピー「パカパカ(あの女の中にどれだけの抗体があると思っている。インフルエンザ如きであの女はどうにもならんよ」 京太郎「ま、まじか…」 夜 京太郎「朝、寝たら夜だから…身体が回復に専念してるんだろうな」 京太郎「晩御飯を食べるか…」 ガチャ… はやり「お粥持ってきたよ☆」 京太郎「……何で俺がご飯を食べたいってわかったんですか?」 はやり「うーん…なんとなく☆」首を傾げて はやり「あと怪しい薬とか入ってないから大丈夫だよ☆」 京太郎「病人に怪しい薬とか駄目ですよ」 はやり「まだそんな事しないよ☆」 京太郎(まだ…だと…)冷や汗 就寝前 京太郎「おうまた電話が」 健夜「もしもし、京君?」 京太郎「もしもし、どうかしたの?」 健夜「うん…京君が危ない気がしたから気になって」 京太郎「っ…特に何もないよ」 健夜「……ウソだね。お姉ちゃんなんだからそれくらい解るよ」 京太郎「ああ…今、新型インフルエンザになって学校を休んでる」 健夜「新型インフルエンザ…だ、大丈夫なの!?」 京太郎「熱も引いたし大丈夫だよ」 健夜「……帰ったらお話だよ」 京太郎「ごめん」 健夜「許さないよ。いつも言ってるよね、体調を崩したら連絡するようにって」 京太郎「…義姉さん達に迷惑をかけたくなくて」 健夜「それが余計なお世話だって言ってるんだよ?私と京君は家族なのに変な気遣いはなし…この事は良子ちゃんにも報告しとくからね」 京太郎「あっ…うぅ…そこはなんとか…」 健夜「駄目。来週の月曜日に帰る予定だからその時に良子ちゃんも居るからね」 京太郎「はい、覚えておきます」 健夜「暖かくして早く寝るんだよ。おやすみ京君、愛してるよ」 プツン… 京太郎「えっ?ああ、海外に居るからその影響かな?そうだよな…?」 朝 京太郎「……明日で治るかな?」 京太郎「はやりさんを探すか」 ーーーーーー キッチン はやり「あと少しかな…治りかけてるみたいだけど…油断できない」 京太郎「真面目に料理をしている…あれでもあのビンはなんだ…」 はやり「あれ、起きたの☆?」 京太郎「おはよう、何か手伝う事はある?」 はやり「うんうん、大丈夫だよ。もうすぐで終わるから座ってていいよ☆」ニコニコ 京太郎「わかった。あとそのビン…あれ、なくなってる」 はやり「ビンなんてないよ☆?」 京太郎「俺の気のせいだったかな」 はやり「気のせいだよ☆」 はやり(危ない、危ない…ばれたら困るよ☆) 夜 京太郎「…眠くない」 カピー「パカパカ(駄目だぞ」 京太郎「…まだ俺は何も」 カピー「パカパカ(日曜日まではゆっくりしておけ」 京太郎「でも体調は…」 カピー「パカパカ(周りに菌をばらまくのか?」 京太郎「わかったよ」 京太郎「セーラに泣かなくて良いように願った時になんか違ったんだが…あれはなんだったんだ?」 カピー「パカパカ(種だろ」 京太郎「種?この前は果実とか言ってなかったか?」 カピー「パカパカ(また別だ。あの種は…ああ、あれだ…聞きたいか?」 京太郎「まあ、聞きたいな」 カピー「パカパカ(果実は主の成長の結果だ。あの種は主の可能性を秘めた物だ」 京太郎「可能性?」 カピー「パカパカ(そうだ。開闢の大樹があったから芽吹く事はなかった。それがあの乙女に譲渡されただけだ」 京太郎「特に問題はないのか?」 カピー「パカパカ(ない…ただ、あれは少し主にとって都合が悪いかもしれないがな」 京太郎「えっ?」 カピー「パカパカ(あれは主の可能性を全て秘めた物だ。主の元に戻りたいが戻れない。だから芽吹き、刷り込み、求める。欲求を高め、可能性を消費してあの種は乙女を成長させる」 京太郎「よくわからないがセーラが泣かなくてなるなら別にいい」 カピー「パカパカ(ふん…お気楽だな。全国は気をつけておけ。撒いた種は全部返ってくるぞ」 京太郎「……覚えておく」 就寝前 京太郎「電話か…」 From エイスリン そろそろ体調が良くなって大丈夫だろとか言い始めそうなのでメールしました。駄目だからね、ゆっくりしておかないと。来週、学校で会える楽しみにしてるから。 京太郎「なんでわかるんだ…とりあえず否定して、俺も楽しみにしてると送るか」 From エイスリン 暖かくして寝るんだよ。おやすみなさい。 京太郎「おやすみなさいっと…なんだろう、健夜義姉さん、豊音、エイスリンが長年連れ添った嫁みたいだ……何言ってんだ、ありえないだろそんな事」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6239.html
特別編 執事と ※終わってしまった本編との関係も一切ない特別編です ※大体色んなとこを参考にしたりイメージだったりなので、理解できるかどうかは個人差があります ※深夜テンション。最後までこんなノリ 京太郎「裸エプロンに裸Yシャツ、尊いと思いませんか」 ハギヨシ「ほほぅ」 京太郎「やはりですね、ごはんにする?お風呂にする?それともわ・た・し?って言われたいでしょう!」 ハギヨシ「即お風呂でいただきますしますね」 京太郎「裸Yシャツ、朝起きたら自分のシャツを着ている、いいですよね」 ハギヨシ「こう、見えそうで見えないくらいがベストですよね」 京太郎「ちょっと恥ずかしそうにするとか、そういう恥じらいも合わさってまたよし!!」 京太郎「……どちらでも思うんですが、やっぱり巨乳がいいですね」 ハギヨシ「ほう」 京太郎「こう、エプロンの上からでも隠せないその大きさ」 京太郎「Yシャツが悲鳴を上げるその様、じっくり拝みたいですね」 ハギヨシ「それもまた正しいです」 ハギヨシ「ですが、貧乳も、貧乳の可能性もいいものですよ」 京太郎「貧乳の……可能性?」 ハギヨシ「決して忘れてはならない、心に刻むべき言葉があります」 『貧乳がいいんじゃない。貧乳なのを気にしているのがいいんだ』 京太郎「……素晴らしい、心に響きますね」 ハギヨシ「貧乳はステータス、なんてただの開き直りです。それはただの絶壁です」 ハギヨシ「本当に大事なんのはそう、気にしながらも、大事な人のために頑張る姿勢、それです」 京太郎「これは巨乳派な俺も貧乳を許せますね」 ハギヨシ「こう、不意に『小さくてごめんね?』なんて言われでもすれば」 京太郎「たまりませんね。この手で大きくしてあげたくなります」 ハギヨシ「……裸エプロンに裸Yシャツ、素晴らしいです」 ハギヨシ「が、常に更なる可能性の探求を忘れたはいけません」 京太郎「はい……俺、絶対に忘れません。あなたのおかげで学んできたことを」 紳士の心を、忘れずに 本当に、最後のカンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3393.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346308252/ 己のカルマと戦う京太郎の前に現れたステルスモモ 彼女から持ちかけられた悪魔の契約に対して、決意を固めたはずの京太郎の心は揺らぐ 彼は自らの生き方を切り開くことができるのか!? 京太郎(師匠……すみません……) 京太郎(俺はやっぱり、自分の身がかわいい臆病者みたいです……) 京太郎「分かった、そちらの要求を飲もう」 桃子「あなたならそう言ってくれると思ってたっす」 桃子「合宿中は無理に行動を起こさなくて良いっす」 桃子「実際に行動に移すのは、清澄に帰ってからということで」 京太郎「分かった。しかし今は情報が足りない」 京太郎「うちの部長とそっちの先輩ってのは、一体どれくらい親密なんだ?」 桃子「……名前」 京太郎「ん?」 桃子「あの女、私の先輩を下の名前で呼びやがったんす!」 桃子「私でさえまだ苗字に先輩って付けただけなのに……」ギリッ 京太郎(こ、これは……) 京太郎(百合場面名鑑収録「下の名前で呼んで」の亜種か!) 京太郎(いやいや、喜んでる場合じゃないだろ) 京太郎(落ち着け、冷静になるんだ) 京太郎(たかが下の名前で呼ぶようになっただけで、そこまで危険な段階に入っていると言えるか?) 京太郎(下の名前で呼び合うくらいまでなら別に……) 京太郎(…………) 京太郎(かじゅ久、いや、久かじゅ……か) 京太郎(アリだな) 京太郎(部長という職務の重責……そこから生じるストレスを抱えながら部活を発展させようとしてきた二人) 京太郎(奇しくもそれぞれが在籍する麻雀部は歴史がゼロと言っても過言ではない状態の新生部) 京太郎(同じような境遇にある者同士がある日交錯したとき、物語は始まる) 京太郎(ん?鶴賀の部長はカマボコみたいな口の人だっけか) 京太郎(まあいいか、立場的には似たようなものみたいだし、やはりそこから生じる共感g) 桃子「不愉快な妄想をしているようなら、あんたにはもう用はないっす」ニコッ 京太郎「!? ち、違うんだ! 待ってくれ!」 桃子「次はないっすよ?」 桃子「とにかく、くり返すっすが方法は問わないので、可及的速やかに処理をしてくださいっす」 桃子「こうしている間にも、あの女の毒牙が先輩に迫ってるんっすから」ギリッ 京太郎(これは……マジだな)ゴクリ 桃子「最終的にあの二人の接触を断つことができれば良いことにするっす」 桃子「だけど、もしも間に合わなかったら、その時は……」ゴゴゴ 京太郎「分かってる! 分かってるからそれだけは……それだけは許してくれ…」 桃子「じゃあ、今日のところはこれくらいにしておくっす」 桃子「期待してるっすよ、須賀京太郎君?」 桃子「あ、それと、万が一先輩の着替えを覗くとか、そういうことをした場合もその場で処刑確定なので注意してくださいっす」 桃子「では」スゥ… 京太郎「ふぅ……」ドサ 京太郎(なんてことだ……まさかこんなことになるなんて……) 京太郎(どうすれば……師匠に助けを) 京太郎(いや、それだけは絶対にできない) 京太郎(俺の尻拭いを師匠にさせるなんてことは、絶対にあってはならない……) 京太郎(しかし、師匠の思いを踏みにじることも避けたい) 京太郎(くそっ……八方塞がりか…) 京太郎(……いや、待てよ) 京太郎(今のこの状況、一見すると男である俺が百合の園を土足で踏み荒らそうとしているように見える) 京太郎(しかし、今俺がそんな行動に出ようとしているのは、紛れもない百合娘・東横桃子からのアクションがあったからだ) 京太郎(実際のところこれは、百合娘が自らの願望を成就させるための手段だと考えられないだろうか?) 京太郎(ならば今の俺は、百合の舞台の上にある一つの小道具……) 京太郎(百合の花を咲かせるためだけに存在する、ひとつの背景に過ぎない) 京太郎(それならば……俺は飽くまで流れの中で求められ、使われているに過ぎない!) 京太郎(そう、主人が執事に……透華さんや衣ちゃんが師匠に命じて、師匠がそれに応えるという関係のように) 京太郎(俺が桃子さんの要求に応じるのは、何の違和感もない行動だと言えるんじゃないか!?) 京太郎「く、くくく」 京太郎(これは、むしろ僥倖かもしれん) 京太郎(行動の理由を自らの外に置きつつも、それでいて自らのためになる行動ができる) 京太郎(しかもそれは、俺自身の規範に逆らうものではない) 京太郎(いいねぇ、望むところだ) 京太郎(やってやろうじゃないか!) 京太郎(俺は舞台の上で、俺の役を演じきってやる!) 京太郎(アトモスフィア京を舐めるなよ!!) ――久主催部屋―― 久「その手を鳴かずに進められるのね…」 ゆみ「これを鳴いて和了れる相手とは思っていない」 久「あら、随分と評価してもらってるみたいね」 ゆみ「当然だ、聞くところによるとインターミドル時代も猛威を振るっていたそうじゃないか」 ゆみ「高校に入ってから麻雀を始めた私から見れば、大先輩だよ」 久「いやねぇ、そんなことまで調べてあるの? ちょっと怖くなっちゃうわ」 ゆみ「敵情視察は戦略の基本だ」フッ 久「怖いわね、滅多なことができなくなっちゃう」 京太郎(ふむ、思った以上に親密になっているようだな) 京太郎(桃子さんの杞憂というわけではなさそうだな) 京太郎(部長が加治木さんを誘った時に下の名前で呼んでるのを見て、大慌てで俺に話を持ちかけてきたわけか) 京太郎(凄まじい行動力……いや、執念と呼ぶべきか) 京太郎(しかし……) 美穂子「うえ……竹井さん」 久「うーん、ねぇ美穂子」 美穂子「す、すみません! 失礼なことを……」 久「いや、別に上埜って呼ばれるのを気にしてるわけじゃないのよ?」 久「ただ、ゆみも私のことを名前で呼んでるし、美穂子も私のことを名前で呼んでくれないかしら」 久「ほら、私も“美穂子”って呼んでるわけだしね」 美穂子「え、でも……」 久「よし、決めた」 美穂子「え?」 久「“久”って呼んでくれないなら、なんにも反応してあげないことにするわ」 美穂子「え、そ……そんな、冗談ですよね?」 久「……」 美穂子「た……竹井、さん?」 久「……」 美穂子(うぅ……) 美穂子「ひ、久さん」 久「うーん、“さ”が続くと響きが悪いわねぇ」チラッ 美穂子「そ、そんな……」 久「あーあ、さみしいなぁ」チラッチラッ 美穂子「……」 美穂子「……久」ボソッ 久「……」スッ トトト 美穂子「え?」 久「……」ギュウ 美穂子「えっ!? ひ、ひゃ」 久「なぁに、み・ほ・こ♪」フゥ 美穂子「あ、わあうああうああ」カアァァァ 美穂子(息が、息が耳に……!) 衣「おい久、対戦相手の手牌を盗み見る気か?」 久「あら、ごめんなさい。そんなつもりはちっとも無かったんだけど」 久「あんまりにも美穂子が可愛いもんだから、自分を抑えきれなくなっちゃってね?」 美穂子「うぅぅ……」 ゆみ「まったく」ニガワライ 京太郎(…………) 京太郎(たまらん) 京太郎(なんだなんなんだこの最高の桃色空間は!?) 京太郎(ってか部長! あんた最高だよ!!) 京太郎(女の子を手玉に取るすべを身につけすぎてて、逆に怖い!) 京太郎(これは間違いなく歴戦の百合娘!) 京太郎(今までも相当な数の生娘をその毒牙にかけてきたに違いない!) 京太郎(はっ!?)ピキュイィィン 京太郎(そ、そういえば、うちの部室ってやたら恵まれた環境にあるよな……) 京太郎(部員数ギリギリ団体戦に出場可能なくらいしかいない弱小中の弱小部なのに) 京太郎(しかも、中古で買っても決して安くない自動卓まである) 京太郎(ここから導き出される結論、それはすなわち……) 京太郎(百合売春!!) 京太郎(いや、実際には売春というより、何かしらの備品をかけての麻雀勝負だったのではないだろうか) 京太郎(「部員がいないからちょっとだけ付き合ってくれない?」と誘われ、軽い気持ちで部室に足を踏み入れた彼女たちだったが) 京太郎(そこで会話をしていくうちに、次第に久という存在に惹かれるようになる) 京太郎(そしてある日、部室に置く備品をかけての勝負を持ちかけられる) 京太郎(賭けられるものがないように見えることを久に伝えると、彼女は自分の躰を賭けると言い出す) 京太郎(はじめは驚いて勝負を拒否するが、あっさりと久は引き下がる) 京太郎(拍子抜けした状態で帰宅するも、ベッドの中でそのことを反芻し、勝負を受けなかったことを後悔する) 京太郎(そして翌日、放課後になると真っ先に麻雀部の部室に向かい、そこの主に「賭けをしよう」と持ちかけるのだ) 京太郎(そしてギリギリの勝負の末、見事勝利を掴み取る。高鳴る胸の鼓動) 京太郎(なんとか平静を保とうとしていると、久がゆっくりと立ち上がり、部屋の隅のカーテンをそっと開く) 京太郎(そこには真っ白なシーツがかかったベッドが。ベッドの上に腰掛け、制服を徐々に崩しながら、誘うような目つきで見てくる久) 京太郎(そして耐えられなくなった欲望がり性を粉々に打ち砕き、久の体躯を、息を荒げながら乱暴に組みしだく……) 京太郎(一度味を知ってしまったらもう後には戻れない) 京太郎(自らの私物やポケットマネーを賭けてまで戦いに挑み、徐々に泥沼にはまってゆく) 京太郎(絶妙なバランスで勝敗を調整しながら、久は彼女たちの心を弄んでいく……) 京太郎(こう考えれば、不自然なほど揃っている備品の数々、そしてあのベッドの説明がつく) 京太郎(そして和は、かつて部長が甘い声を上げながら) 京太郎(時には上げさせながらシーツを濡らしていたなどということに微塵も気づかず、そのベッドで無防備に睡眠をとっているのだ) 京太郎(…………) 京太郎(い、いかん、これは危険だ) 京太郎(平常心が保てなくなりそうだ……落ち着け俺)フゥ ゆみ「ん?」 京太郎(っ! まずい!) 京太郎(アトモスフィアモードを……冷静に……)スゥ ゆみ(…………気のせいか) 京太郎(……危なかった) 京太郎(しかし、さすがと言わざるを得ないな) 京太郎(あの桃子さんの気配を、完全に隠蔽していない状態とは言え察知できるだけ……) 京太郎(しまった、本来の目的を忘れるところだった……!) 京太郎(今は百合妄想に浸っている場合ではない。何とかして現状を打開しないと……) 京太郎(しかし、俺のSPY-Lレーダーの情報が正しければ、キャプテンはもう既に陥落しているが、肝心の部長が問題だ) 京太郎(今回のオーダーは部長を加治木さんから引き離すこと) 京太郎(最終的に部長そのものをどうにかしなければ意味がない……) 京太郎(しかし、ここに来てからの部長の姿を見る限り、彼女を特定の誰かと結びつけることはかなり難しい) 京太郎(おまけに今回は時間が限られている) 京太郎(一度この合宿が終わってしまえば、これだけのメンバーが一堂に会することは殆どなくなるだろう) 京太郎(解散してしまえば部長と加治木さんの接触自体は減るだろうが) 京太郎(もし個人的に合うといった状況になった場合、それを事前に察知するためには部長のプライベートに張り付く必要が出てくる) 京太郎(そして周囲にフレアとして使えそうな人材がいるとも限らない) 京太郎(合宿終了まであと何時間だ?) 京太郎(なにか……何かないのか……) 京太郎(師匠……俺に力を……) 京太郎(……ん? 待てよ?) 京太郎(このSPY-Lの反応……) 京太郎(はっ!?) 京太郎(そうか! この手があったか!) 京太郎(…………しかし、これは成功する確率が高いとは言えない……) 京太郎(どうする、別の手を考えるか……?) 京太郎(いや、迷っている時間はない) 京太郎(失敗すればジ・エンドだが、何もせずにいて失敗しても結果は同じだ) 京太郎(ならば、俺は全力を尽くして死ぬ方を選ぶ) 京太郎(それに、これは紛れもない百合娘からの願いでもある) 京太郎(指をくわえて見ているだけなどというのは、百合男子道に背く行い!) 京太郎(よし! 『オペレーションNH』始動だ!!) ――清澄部屋―― 和「はぁ、流石に疲れましたね」 咲「朝から晩まで打ちっぱなしだったもんね……」 咲「優希ちゃんなんか爆睡してるよ」 優希「ZZZzzz……」ホボゼンラ 和「ゆーき……なんてはしたない…」 咲「それにしても、今回の合宿は勉強になったなぁ」 和「ですね、みなさんやっぱり決勝まで残っただけありました」 咲「はぁ、京ちゃんも来れてたら強くなれたんじゃないかなぁ」 和「」ムカッ 和「もし来れていたとしても、部長の命で雑用をやって終わりだったと思いますよ」イライラ 咲「うーん、部長ももう少し京ちゃんに優しくしてあげればいいのに……」 和「」イライライライライライライライライライライラ 和「み、宮永さ」コーイーシチャッタンダ タブン キヅイテナーイデショー 咲「あ、これって」 咲「京ちゃんからメールだ!」パァァ 和「」プチッ 和「みやながさ咲「え?」 和「!」ガバッ 和「どうしましたか宮永さん!まさかセクハラまがいのメールを!」 和「前からうすうす怪しいとは思っていたんですが、やっぱりやらかしましたかあの変態!」 和「私たちの方を見てたまにニヤっと笑っていたんですよ!」 和「気持ち悪いなぁとは思っていたんですが部活の平穏を乱したくなくて今まで野放しにしてしまいました! 申し訳ありません!」 和「今すぐヤツからのメールや着信履歴を全て削除してアドレスからも消去」 和「ついでに着信拒否リストに入れて、麻雀部、いや清澄高校、いいえ長野から永久追放してしまいましょう!!」 和「大丈夫です!裁判なら両親に頼めば必ず勝てますし、宮永さんは私が必ず守りきってみせます!」 咲「え? いやそんなメール京ちゃんはしてきてないよ?」 咲「ただ、ちょっといきなりっていうか、よく分からないっていうか……」 咲「ほら、これ」スッ 和「…………え?」 和「……何ですか、これ?」 咲「私も全然分からない……」 咲「あ、も、もしかして……」 咲「京ちゃん……あの人のこと……」ジワッ 和「!?」 和(私の咲さんを泣かせるなんて…………) 和(凌遅刑が神からの祝福に思える位の罰を与える必要がありますね……!)ゴゴゴ 和「今すぐ電話して、目的を問いただしましょう!」 咲「う、うん」ピピッ 和(短縮の0番!?)ワナワナ 咲「…………電源が入ってないみたい」 和「宮永さん! こんな訳のわからないお願いなんて聞く必要ありません! もう今日は寝ましょう!!」 咲「…………ううん、行くよ、私」 咲「きっとなにかワケがあるんだよ」 咲「私は京ちゃんを信じる。京ちゃんの力になりたいから……!」グッ 和「」イライラブルブルワナワナバキバキグシャグシャバリバリゴクン 和「…………分かりました」 和「では、私もご一緒させていただきます」 和「私も(咲さんの)力になりたいですから」ニッコリ 咲「原村さん……!」 和「行きましょう、あんまり遅くなると、寝てしまうかもしれませんよ」ニコニコニコニコ 咲「うん! 行こう!」 ――鶴賀部屋―― 桃子「ん?」 桃子(この気配……) 桃子「ちょっと出てくるっす」 ワハハ「んー? あんまり遅くなるんじゃないぞー」ワハハ 桃子「はいっす」 ガチャ バタン 桃子「で、なんの用っすか? 須賀京太郎」 京太郎「今、手を打っているところです。おそらく明日出発するまでには結果が出るでしょう」 桃子「!!」 桃子(本当? ブラフ? いくらなんでも早すぎないっすか?) 桃子「合宿中は無理みたいなことを言ってたと思うんすけど、あれはなんだったんすかねぇ?」 桃子(これは警戒しなくてないけない? いやしかし……) 京太郎「俺の認識不足でした。むしろこの機会を逃すわけにはいかないんです」 京太郎「……そして、この作戦を遂行するにあたって、桃子さんにも協力していただかなくてはなりません」 桃子(きたっ!) 桃子「確かに協力するとは言ったっすけど、内容によるっす」 桃子「当然納得できる理由も話してもらわないと」 京太郎「理由までは……ただ、殆ど手間は取らせません」 京太郎「大丈夫です。俺を信じてください」 京太郎「必ず貴女の望む結果をご覧に入れます」 桃子(……話だけなら、聞いてやるっすか…) ――外―― 桃子(一応、要求されたことはやったっすけど、あれは一体何の意味が……) 桃子(あとはここで少し待てばいいって……) 桃子(少しってどれくらいなんすかね?) 桃子(一応アイツの行いの証拠は、分散して保管してあるから、今のうちに処理するのは無理っすけど……) 桃子(10分待って何も起こらなかったら、処刑確定っすね) ゆみ「……」タッ タッ タッ 桃子「……先輩?」 ゆみ「桃子」 桃子「!?」ビクッ 桃子(こ、これは……) 桃子(先輩……怒ってるっすか……?) 桃子(一体何が……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はいっす!」ビクッ ゆみ「ひとつ、聞きたいことがある」 桃子「なな、なんっすか?」ビクビク ゆみ「須賀京太郎をいう男の事を知っているか?」 桃子「!!??」ビックゥ 桃子(ま、まさかアイツ……みんな先輩にバラして……)ブルブル 桃子(こ、殺すっす!!) 桃子「な……んのことだか、さっぱりわからないっすね」プイッ ゆみ「声が上ずっているぞ」 ゆみ「その反応、やはりヤツの言っていったことは本当だったか……」 桃子(なんで、そんなに怒ってるんすか……) 桃子(なんで、そんなに悲しそうな顔するんすか……) 桃子(私のこと、恋愛ではないにしても、好いていてくれていたんじゃないんすか……) 桃子(じゃあなんで……今まで……勘違いさせるようなこと)ギリッ 桃子(あんまりっすよ……) ゆみ「桃子……本気なのか?」 桃子(……!)ギリリッ 桃子「そうっすよ! 本気っす!」ジワッ 桃子「でも何が悪いんすか! 先輩が悪いんっすよ!」ポロ 桃子「私は……私は、ただ……」ポロポロ ゆみ「……」スッ 桃子「っ! 触らないでくださいっす!!」バシッ ゆみ「」ギリッ ゆみ「桃子!」グイッ 桃子「きゃ!?」ドサッ 桃子(え? 何? 押し倒され……) ゆみ「桃子」 桃子「は、はい……」 ゆみ「お前を見つけたのは、私だ」 桃子「え、あ、はい」 ゆみ「だから、お前は私のモノだ」 ゆみ「誰にも渡しはしない」ギュウ 桃子(…………???) ゆみ「私が悪かった」 ゆみ「お前は、なんだかんだでちゃんと分かってくれていると思っていた」 ゆみ「全く、笑い話にもならないよ」 ゆみ「だから」 ゆみ「しっかりと、躾てやらないといけないな」 桃子「はぇ?」 ゆみ「だれがお前の持ち主なのか」 ゆみ「心にも、躰にも」 ゆみ「刻みつけてやる……!!」グイッ 桃子「な、にを んんうぅ!?」チュウゥゥ 桃子(これは一体何がどうなってこうなったんすかぁぁぁ!?) ゆみ「ふぅ」 桃子「はぁ、はぁ……せ、んぱ」ハァハァ ゆみ「……」グイッ 桃子「や、ちょ、そこは!?」ググッ ゆみ「初めてか?」 桃子「……はぁ…? そりゃ、そうっすけど……?」 ゆみ「そうか、そうじゃなかったらモモを殺して私も死んでいたよ」 桃子「ぇ?」 ゆみ「それに、痛くなければ躾にならないだろう?」 ゆみ「一生忘れられないくらい、痛くしてやるからな」 桃子「ちょ、ま、せんぱ」 ~少し前~ ――廊下―― ゆみ「やれやれ、さすがに疲れたな」コキコキ ゆみ(しかし……楽しかったな)フッ ゆみ「…………ん?」 ゆみ(これは、なんだ?) ゆみ(押し隠したような気配……モモに近いが、違う) ゆみ(それにこの感じ……久たちと打っている時にも一瞬感じた) ゆみ「そこかっ!」バッ 京太郎「流石ですね」スゥ ゆみ「! 君は……確か清澄の男子部員」 京太郎「! これは……覚えていただけているとは、意外でした」 ゆみ「なぜここにいるんだ? 久は君を置いてきたと言っていたはずだが」 京太郎「ええ、まあちょっとした理由がありましてね」 京太郎「加治木さんに接触したのも、その理由と関係していまして」 京太郎「少しお時間をいただけないでしょうか」ニコッ ゆみ(……どういうつもりだ?) ゆみ(この男、確かに気配を感じることはできたが、まるであえて私に察知させたような、そんな不自然さがあった) ゆみ(つまり、今の今まで私にも気づかれないような状態で”何か”をしていた可能性が高い) ゆみ(それでも、犯罪行為をしようとしていたなら、気配を消した状態でいくらでも出来たはず) ゆみ(私に直接危害を加えるようなことは、今の時点でするつもりはないということか) ゆみ(……ここで誘いに乗らなかった場合、この男は再び姿を消すだろう) ゆみ(目的が全くわからないままロストするのは避けたい……) ゆみ「わかった、話だけなら聞こう」 京太郎「そうおっしゃっていただけると思っていました」 京太郎「ここでは人目につきます。場所を移しましょう」 ――外―― ゆみ「で、こんな所でしか話せないということは、なかなかに後暗い話題をしたいと見えるが」 京太郎「後暗い、というほどではありませんが……」 京太郎「大手を振って話せるものでもありませんね」 京太郎「……同じ無名校として、決勝での鶴賀の活躍には驚きましたし、素直に敬意を覚えました」 ゆみ(……? なんだ、わざわざ胡麻をすりに来たわけでもないだろうに) 京太郎「とくに、うちの原村を抑えて、副将戦で収支1位を飾った東横桃子さん」 ゆみ「……」ピクッ 京太郎「加治木さんも素晴らしい立ち回りをされましたが、やはり彼女の働きには非常に強い印象を覚えました」 ゆみ「……何が言いたい」 京太郎「そのままです。東横さんが優秀だというお話ですよ」 京太郎「原村和は去年の全中チャンピオン」 京太郎「そして龍門渕透華さんも、去年のインハイでは大いに活躍したそうじゃないですか」 京太郎「そんな二人を押しのけて、鶴賀を優勝まで後一歩のところまで押上げた彼女のような才能が」 京太郎「これを最後に終わってしまうのかと思うと、あまりにももったいなくて」 ゆみ「!?」 ゆみ「それは、どういうことだ?」 ゆみ「モモはまだ1年だ。来年も再来年も、鶴賀のエースとして活躍する」 ゆみ「ここで終わるわけがないだろう!」 京太郎「冷静に考えてみてください」 京太郎「確かに鶴賀は県予選で決勝まで上り詰め、大いに活躍しました」 京太郎「しかし、それだけで来年からも部員が入ってくれるでしょうか?」 京太郎「本当に麻雀がやりたい人なら、長野だと普通は風越に入ります」 京太郎「それに、風越は確かに名門ですが、ここ最近の2連敗は間違いなく看板の価値を落としているでしょう」 京太郎「ではほかの学校はどうか?」 京太郎「今回の決勝の4校で考えてみましょうか」 京太郎「龍門渕のメンバーは全員が2年生で、来年もレギュラーメンバーは変わらないでしょう」 京太郎「メンバーに空き枠がなく、横のつながりだけで強さを保っているところに、新入生が入るとは考えにくい」 京太郎「そもそもあのチームは学校の麻雀部というより、龍門渕さんの私設クラブとしての色合いが強いですから」 京太郎「そうなると鶴賀と清澄はですが、ここは両方共ほぼ無名です」 京太郎「目立った戦果は、今年の物のみ」 京太郎「そして、両方が無名ならば」 京太郎「『全国優勝校』という泊のついた清澄の方を、普通ならば選ぶでしょうね」 ゆみ「!!??」 ゆみ「ちょっと待て!」 ゆみ「自分の仲間に対して自信があるのは結構だが、随分と大きな風呂敷を広げるじゃないか」 ゆみ「そんな根拠の乏しい推測をもとに、うちの麻雀部を不当に低く評価するとは、君は随分恥知らずな人間のようだな」 京太郎「本当に根拠に乏しいと言えますか?」 京太郎「先鋒の片岡は、個人戦で歴代ハイスコアを出すほどの腕前」 京太郎「副将の原村は言わずもがな」 京太郎「大将の宮永は、去年のMVPである天江衣を制し、個人戦でも全国出場が決定しています」 京太郎「そして、常に収支を±0にするという驚異的な実力」 京太郎「これは個人戦でも本人の気が変わるまでやってのけていましたから、全国でも通用すると思われます」 京太郎「どんなに異常なことか、加治木さんならよくお分かりでしょう?」 京太郎「残りの二人も、ほかの3人ほどの派手なモノはありませんが」 京太郎「どちらも安定してハイレベルな試合ができるというのは、加治木さんも骨身にしみて理解しているはずです」 京太郎「ここまでの実力者が揃いながら、清澄が優勝を狙うには力不足だと思えるのなら」 京太郎「それは少しばかり観察眼というか、まあ“何か”が足りないんじゃないでしょうか」ニコッ ゆみ「君は……随分と人をからかうのが好きなようだなっ……」ギリリッ ゆみ「仮に、だ」 ゆみ「仮に来年鶴賀の麻雀部が団体戦に出られないとしても」 ゆみ「モモには個人戦があるだろう」 ゆみ「そうなれば、少なくとも彼女の才能が埋もれるということはない!」 ゆみ「彼女は、あの特殊な能力が先行してはいるが、麻雀の実力も文句のないレベルだと思っている」 ゆみ「問題は全くない」 京太郎「……東横さんは、どうして麻雀部に入ったんでしょうか?」 ゆみ「!」 京太郎「どうやら彼女は初めから麻雀部に入ろうとは思っていなかったようですよね?」 京太郎「誰かが強引に麻雀部に連れ込んだと聞いていますが」 ゆみ(この男……いったい…) 京太郎「もしもですよ」 京太郎「もしもその人がいなくなってしまったら」 京太郎「東横さんが麻雀部にいる理由、その物自体が消えてしまうということになるのではないでしょうか?」 ゆみ「!?」 ゆみ(そんな……モモが……) ゆみ(いや、そ、そんなことはないはずだ) ゆみ(…………ホントにそう言えるのか……?) ゆみ(いや、まて、相手のペースに飲まれるな!) ゆみ「どうも人の周りを嗅ぎ回るのが好きな、趣味の悪い人間がいるようだが」 ゆみ「いったい、どこからそんな噂話を仕入れてきたのかな」 京太郎「加治木さん、あなたほど聡明な方だ」 ゆみ(無視、か) 京太郎「人の気持ちに鈍いというわけでもない」 京太郎「なら、もう気づいているんでしょう?」 京太郎「東横さんがあなたに向けている感情に、ね」 ゆみ(…………っく!?) 京太郎「自らの存在を非常に認識されにくいという、あまりにも特異な体質を持って生まれてしまった、一人の女の子」 京太郎「存在を気づいてもらえないがために、誰からも必要とされることなく生きてきた」 京太郎「だがある日、そんなつまらない日常から自分のことを引き上げてくれる人が現れた」 京太郎「彼女がどれほどの喜びを感じたかは、想像に難くありません」 京太郎「そして、求められるということに喜びを感じた彼女は、恩人とも呼べるその人に着いていくことを決める」 京太郎「ですが……」 京太郎「自分を見つけてくれたその人は、自分自身が麻雀の大会に出るための頭数が欲しかっただけで」 京太郎「高校生活最後の試合が終わると、目の前から姿を消してしまう」 ゆみ「!!……ち、違う!!」 ゆみ「私はそんな……そんな道具のような扱い方をモモにしてきたことは断じてない!!」 ゆみ「モモは私の大事な……大事な仲間だ!」 京太郎「仲間……そうですよね」 京太郎「あなたから見れば、彼女は確かに大切な仲間です」 京太郎「ですが、お分かりのはずです」 京太郎「彼女が貴女との間に求めている関係は、もっと特別なものだと」 ゆみ「そ……れは」ビクッ ゆみ(たしかに、モモが求めているものはわかっている、が……) 京太郎「そして、貴女がどんなに彼女のことを大切に思っていたとしても、鶴賀を去ってしまうのは、曲げることのできない事実」 京太郎「彼女が麻雀部にいる理由を失ってしまうのも、従って事実です」 京太郎「ですから“このままでは”彼女の才能は埋もれてしまうんですよ」 ゆみ(…!) ゆみ(まさか、コイツの狙いは) 京太郎「本題に入りましょうか」 京太郎「東横桃子さんが後腐れなく清澄の麻雀部に入れるように、彼女との縁を完全に断って頂きたい」 ゆみ「ば……馬鹿かお前は!」 ゆみ「私がそんなことをすると思っているのか!」 京太郎「他のメンバーの方のことでしたら、どうぞご心配なく」 京太郎「彼女たちも、まとめて受け入れる準備は出来ていますから」 ゆみ「準備が出来ている……だと?」 ゆみ「まさかこの話、久も噛んでいるのか……?」 京太郎「おっと、この話は完全に俺のワンマン企画ですよ」 京太郎「うちの部長はああ見えて、曲がったことが大嫌いでしてね」 京太郎「おまけに頭がキレて、感も鋭い」 京太郎「部長にばれずに準備をするのは大変でしたよ」 京太郎「本当はもっと面倒な手順を踏んで東横さんに接近するつもりだったのですが」 京太郎「今回の合宿企画が持ち上がったのは本当に幸運だったというより他ありません」 京太郎「この機会を逃すと面倒なので、加治木さんには早くご決断をして頂きたいのですが……」 ゆみ「……君が清澄の戦力の増加のために、モモをうちから盗ろうとしているのは分かった」 ゆみ「しかし、君は男子部員で、女子部員の成果は直接利益になるとは思えない」 ゆみ「なのにどうしてそこまでモモに固執するんだ?」 京太郎「……正直言って、今の清澄は部長の強力なリーダーシップによってまとめられている状態です」 京太郎「飄々としていながら、彼女ほど抜け目のない人間もなかなかいない」 京太郎「うちのメンバーは、一人ひとりが優れた雀士ではありますが、部長の跡を継いで組織を引っ張っていける人間がいない」 京太郎「宮永はそもそも内向的な性格ですし、片岡は自分勝手すぎる」 京太郎「原村は信念が強すぎるあまり、狭窄な考えに陥りがち」 京太郎「染谷先輩は一番まともではありますが、いい人どまりでリーダーとしては力不足な感が否めません」 京太郎「そうなったとき、いったい誰が部の舵取りをしていくのか」 京太郎「そうなった時に、俺がその責務を引き受けようと思っているわけです」 ゆみ「随分自己評価が高いと見えるな」 ゆみ「私にはただの自惚れにしか感じられないが」 京太郎「消去法ですよ、手配の中に安牌がこれしかなかったんです」 京太郎「ともかく、俺がそうやって部をチームとしてまとめ上げていくとなれば、当然勝ち進むために何ができるのか、と考えるわけです」 京太郎「そして、まずは強力な人間の頭数を増やそうと思ったわけです」 京太郎「部内に強者が大勢いれば、内輪の練習だけでも十分技量の進歩は望めますから」 ゆみ「この陰険な謀は、全て部のためにやっていることだと言いたいのか」 京太郎「もちろん、それだけではありません」 京太郎「先程も申しましたように、清澄麻雀部は高い確率で優勝杯を持って帰るでしょう」 京太郎「そして、来年、再来年とそれを続ければ」 京太郎「史上初の3連覇を成し遂げる、ということになります」 京太郎「……今や、麻雀はこの世界で最大のゲームとなっています」 京太郎「そして麻雀強豪国である日本のインターハイで殿堂入りになるということは」 京太郎「世界レベルで実力が認められることになるでしょう」 京太郎「そうなったとき、そのチームを間接的に勝利に導いた人間も、十分すぎるおこぼれを貰えるのでは」 京太郎「そう考えたんですよ」ニコッ ゆみ(やはり私腹を肥やすことを考えていたようだな) ゆみ(しかも仲間を利用して……どこまでも下衆な男だ) ゆみ「久に……この話が知れたらどうするつもりだ?」 ゆみ「たったさっき自分で言ったばかりじゃないか」 ゆみ「久は曲がったことが嫌い、そう自分で言っただろう。短い付き合いだが、それは私もよく知っている」 京太郎「確かに多少面倒なことになりますが、問題ありませんよ」 京太郎「そもそも、この話は加治木さんに伏せたまま進めても、何の問題も無かったんですよ?」 京太郎「大切なのは“桃子”さんの意思ですから」 ゆみ(桃子……だと!?) ゆみ「キサマが彼女をその名で呼ぶな!!」 京太郎「落ち着いてくださいよ、加治木さん」 京太郎「俺があなたにこの話をしたのは、桃子さんができるだけ憂いを残さずに清澄に来れるようにしたかったから」 京太郎「俺は心の底から彼女のことを案じているんですよ?」 ゆみ「減らず口をっ……!」 京太郎「よく考えてみてください」 京太郎「一度求められることを、暖かさを知ってしまった彼女は、もはや以前のような孤独には耐えられなくなっているでしょう」 京太郎「いつ瓦解するかもわからない、風前の灯のような部活で、孤独に耐えながら暮らすのと」 京太郎「全国制覇の錦を飾る場所で、みんなから必要とされながら送る高校生活」 京太郎「どちらが桃子さんにとって幸せだと思いますか?」 ゆみ(…………) 京太郎「ねぇ、加治木さん」 京太郎「いい夢、見れたでしょう?」 ゆみ「な……っ!?」 京太郎「皆で全国を目指して走り続け」 京太郎「途中で敗退はしたけれど」 京太郎「それでも夢のように楽しかったんじゃないですか?」 京太郎「高校生活最後の、素敵な思い出は“もう出来ている”んですよ」 京太郎「ですが、桃子さんにはまだまだ未来があります」 京太郎「あなたが自分の思い出のため“だけ”に作った部活に、無理に残す必要はないでしょう?」 京太郎「彼女を夢の抜け殻に縛り付けておくなんて残酷な真似が」 京太郎「あなたにできるんですか?」 ゆみ「そ、んな……しばる、なんて……そんな…つもりは」 京太郎「加治木さん、あなたと桃子さんの関係、どうして俺が知っていたと思います?」 ゆみ「…………あ、え……?」 京太郎「直接聞いたんですよ。“モモ”から」 ゆみ「何を……」 ゆみ(何を……言っているんだ……この男は) 京太郎「話の流れで気づきませんでしたか」 京太郎「モモは、もうこの話を了解済みなんですよ」 京太郎「だから、あなたとのことも全て知っているんです」 京太郎「“モモから皆聞かせてもらいましたから”」 ゆみ(…………なんだ、なんなんだこれは) ゆみ(このおとこはいったいなにをしゃべっているんだ) 京太郎「ですから…………ぁ……」ボソッ ゆみ(え?) 京太郎「いいえ、なんでもありません。話を続けましょう」 ゆみ(なんだ、この男、一瞬むこうを見) ゆみ(!) ゆみ(モモ、と、清澄の……原村と、宮永……?) 京太郎「……こでは……ろと……あれだけ……」ブツブツ ゆみ「な、んの、ことだ」 京太郎「…………いえ、モモにはその、清澄に入ってからもスムーズに行くように」 京太郎「人間関係もある程度構築しておくように言っていたんですが……」 京太郎「できるだけ内密にしろと言ったはずなんですが……」ハァ ゆみ( ) ゆみ( ) ゆみ( ) 京太郎「ああ…………加治木さん」 京太郎「彼女はこっちに来ることを決めてからも、あなたのことでずいぶん悩んでいました」 京太郎「最後までモモの心を縛っていたのは、部活でも麻雀でもなく」 京太郎「貴女だったんですよ、加治木ゆみさん」 京太郎「だから、俺は最後の憂いを立つために、あなたにこのお話をしたんです」 京太郎「分かって頂けますよね」 ゆみ「」ガクッ ゆみ「」ドサッ ゆみ「モモ……私は…………お前……モモ」 京太郎「色よい返事を……いえ、返事は結構ですので、行動で示してください」 京太郎「失礼します」スゥ… ~翌朝~ ――車の前―― 久「それにしても、なんだかつやつやしてない?」 ゆみ「まさか、今にも倒れて眠りたい気分だよ」 久「確かに、あなたの後輩の……東横さんはそんな感じだけど……」 ゆみ「ああ、二人でちょっと遅くまで話をしていてな」 ゆみ「うちの麻雀部は来年も人集めが大変だし、そのことについて、な」 久「ふぅん……」 ワハハ「おーい、そろそろ出発するぞ。名残惜しいのはわかるけど、早く車に乗ってくれ!」ワハハ ゆみ「だそうだ。悪いがもう行かせてもらうよ」 久「ええ…………ねぇ、ゆみ」 ゆみ「ん?」 久「あんまり無理させちゃダメよ?」 ゆみ「………………善処しよう」 久(微塵も反省してないみたいね) 久(東横さんも大変ねぇ……) 桃子(痛いっす……あらゆる箇所が痛いっす……) 桃子(須賀京太郎……まさかこんな搦手を使ってくるとは……) 桃子(でも) 桃子(やっぱり、誰かに求められるっていうのは、あったかいっすね)フフ 佳織「桃子さん……? どうかしました?」 桃子「いや、楽しかったなぁって」 桃子「新しい知り合いも出来たし」 桃子「今までの私の人生じゃ、考えられないくらい楽しかったっす」 佳織「人生って……」 桃子(ん? あれは) 京太郎「」サムズアップ 桃子(……今回は感謝してやるっす) 桃子「須賀京太郎」ボソッ ゆみ「」ピクッ 桃子(あ、やば) ゆみ「モモ」 桃子「は、はいっす……」 ゆみ「今日はそういえば、午後から私の家で勉強を見てやる予定だったよな」ニコニコ 桃子「いやぁ、その、今日は疲れたから家でゆっくり休みたいかなぁって……」 ゆみ「なら、私の家に来て、我慢できなくなったらそのまま寝ればいい」 ゆみ「泊まっていってもいいしな」 桃子「き、今日は帰って撮っておいたドラマを」 ゆみ「 モ モ 」ニ゙ゴッ ワハハ「……!?」ゾク 睦月(なに!?)ゾクゥ 佳織(ひぃ)ゾクゾク 桃子「……はいっす」 桃子(前言撤回) 桃子(ちょっと……いや、かなりやりすぎっすよ…) ――清澄部屋―― ブオォォォン ブロロロロロロ 和「んんぅ……」 和(車……そうか、もう朝なんですね) 和(鶴賀の人たちが帰るんでしょうか) 和「ふあぁ」ムクリ 和(それにしても……) 和(結局昨日の須賀くんのメールはなんだったんでしょう) 和(指定した時間に指定した場所で、東横さんと親しげに話して欲しいって……) 和(何を考えていたんでしょうか) 和「?」 和(この香りは……)スンスン 和(同類――百合の香り!?)バッ 和(あっち……鶴賀の車の方から……) 和(これは……)スンスン 和(加治木さんと、東横さん……でしょうか…) 和(おかしいですね……) 和(昨日の時点では何も……) 和(あのあと、何かあったということでしょうか?) 和「…………」 ――何処かの木の上―― ハギヨシ「京太郎君……」 ハギヨシ(まさか、あそこまでのことをやってのけるとは) ハギヨシ(彼のやったことは、話術で相手を乱すだけではない) ハギヨシ(衣様が月の力を得て、卓上を支配するように) ハギヨシ(彼はこの周囲一帯の空間を、自らの気……いや、自らそのもので染め上げた……) ハギヨシ(まさか、使えるものが今の世に生まれようとは……) ハギヨシ(一体貴方はどこへ行こうというのです……) ハギヨシ(もしかしたら私は、とんでもない怪物を目覚めさせてしまったのでは……) ハギヨシ(………………) ハギヨシ(師としては失格かもしれません) ハギヨシ(しかし、私は……) ハギヨシ「見たい」 ハギヨシ「京太郎君、あなたがどんな覇道を征くのか」 ハギヨシ(あんなものを再び“魅せ”られては、どうしようもないですね) ハギヨシ(そういえば、あの方は今一体何をしているのでしょうか……) ~帰宅後~ ――木間書店―― 京太郎(今回はさすがに疲れた……) 京太郎(まさにカミソリの上を滑るような、危険な賭けだった) 京太郎(アトモスフィアでの情報収集の成果がなければ、あそこまでうまくいかなかっただろう) 京太郎(まさに日頃からの地道な作業が実を結んだと言える) 京太郎(なぜか失敗のビジョンは少しも浮かばなかったが) 京太郎(もしかしたら、咲とか衣ちゃんの感覚って、あんな感じなのかもなー) 京太郎(しかし、丸く収めるためとは言え加治木さんには随分ひどいこと言っちまったな……) 京太郎(今度会うことがあったら、ジャンピング土下座で謝る必要があるか) 京太郎(得られるものも多かったけど、やっぱりこんなことは二度とやりたくないな……) 京太郎(まぁ二人の様子はしっかりと記録させてもらいましたがね!) 京太郎(それにしても、ボロボロになったことに変わりはないか……) 京太郎「さっさと帰って」 『ひらり』 京太郎「これを読んで、癒されたい……」 京太郎(昨今、百合雑誌が増えてきている) 京太郎(まだまだマイナーなジャンルであることは否めないが、それでもこの流れは喜ばしい限り) 京太郎(中でも百合姫の他に出版されている百合雑誌『つぼみ』と『ひらり』の存在は大きい!) 京太郎(今回買う『ひらり』は、平尾先生の短編や、最近画力が向上してきた袴田先生の作品など目を離せない要素がたくさんあるが) 京太郎(なかでも俺が注目しているのはTONO先生の「ピンクラッシュ」!) 京太郎(ガチ百合娘のアタックを受けているうち、徐々に彼女のことを受け入れていくマールの姿が堪らない!) 京太郎(ただ、初期に掲載されていた小説がなくなってしまったのは残念ではあるが……) 京太郎(まぁそれより今は、さっさと家に帰ってこいつを堪能する方が重要だ!) ?「あれは……」ジー カン!